｢ぐあっ｣
何度目かの吐血を繰り返す。工藤に与えられる痛みよりゆみを失う痛みが大きいことをしってる真島は勝機が薄いことを知ってもなお立ち向かう。
｢お前なんかにゆみをくれてたまるか…！！｣
｢俺たちは愛の契りも済ませた。彼女の純粋に俺を愛する表情を見ただろう？自分には勝ち目がないことを知ってるんだろ？｣
そういって重い蹴りが真島を襲う。強い。認めたくないが恐ろしく強い。さすが死の淵から這い上がっただけはある。工藤…この力がゆみに対するお前の気持ちか。
｢愛する女のためにいくらでも強くなる。そして勝利をゆみという女神に献上して俺たちは結ばれるんだ｣
工藤の発言が正しいと錯覚しそうなくらい奴は堂々としていた。自分の愛がちっぽけに思えるくらい今の工藤は1人の男として十分な強さと正しさを備えていた。
｢ゆみ…俺は…お前が傍にいるだけで満足してお前の本当の気持ち聞いてやれんかったな。ゆみ、俺が間違ってた。ゆみ…許してくれ｣