｢吾朗……お願い、皐月を殺さないで。私たち、愛し合ってるの。私から皐月を奪わないで。｣
俺は目の前が真っ暗になった。
ゆみの瞳は工藤を愛していた。何故こんなことに…愛しい人は工藤を庇った。あと数ミリずれていたら彼女の身体を刺すところだった
｢やめて！皐月のこと傷つけないで！お願いだから…吾朗やめて…｣
｢ゆみ、なんで工藤の味方するんや！こいつは俺とお前の人生を壊した男なんやぞ！｣
｢でも吾朗…私の知ってる皐月は…優しくて…誰よりも愛情深くて…｣
｢お前は騙されてるんや！目を覚ましてくれ！ゆみ！｣
｢吾朗…私は皐月が好きだよ…本当に私は彼と人生を歩みたい…｣
｢俺との思い出は全部忘れてしもうたんか？｣
｢吾朗…あ…｣
｢俺はな、お前が幸せならそれでええねん。どこにいて誰といようとも。自分が幸せにできない事実に腹が立つけどな。でも今のお前はお前じゃない。昔からそうや。人の悪意を見抜けないのはお前の悪いところや。俺の目を見てくれ。俺は嘘が嫌いや。だから嘘はいわん。今のお前は洗脳されてる。洗脳からお前を助けたる。こっちにおいで。｣
｢吾朗…私…ごめんなさい。また私あなたを失望させちゃった。私記憶が曖昧で…｣