1か月前…
皆、願っている。神の愛を独り占めさせて欲しいと。

サンドラの心は気づかないうちに蝕まれていった。ただ1人の人間としてゆみを愛した。しかしその愛した人は親の恋人だった。破裂しそうだった。ゆみの幸せを願っている。嘘ではない。彼女が1番幸せを感じる場所で身を委ねて欲しい。そうして自分の感情に蓋をして無理やり自分を納得させようとした。これでいい。夜になるといつもこういった気持ちになる。私はこれでいいんだ。彼女と過ごした日々も奥にしまおう。私は今まで通り、毎日を淡々と過ごせばいい。私はサンドラクルーガー。苛烈で暴力的で仕事人。私は動揺しないし、戸惑ったり躊躇したりすることを捨てた。私は…私は揺れたりしない。なのに何故？心が引っ掻き回されるこの感覚。愛した人の幸せを願った私は嘘の塊だった。本当は私が彼女を幸せにしたかった。確信があった。私なら幸せにできると。私が彼女を守りたかった。忠誠を誓った親父が日に日に憎くなり視界は憎悪が滲み真っ黒な感情で彩られていた。自分の心を殺すくらいなら…いっそ…
何回も思考を巡らせた。ゆみを手に入れたい。なんだってする。でもどうしたら…私は…