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*2008/06/14~
[海と貴方。/バネ菊]
「はるーっ!」
「あ?え、英二?」
本日、快晴。
海岸で近所の子供達を遊ばせていた通称、頼れるお兄さんこと黒羽春風は此処に居るはずのない恋人の声を聞き、一瞬思考が停止した。
そんな間にもその恋人は黒羽が驚いているのもお構いなしに嬉しそうに駆け寄って来た。
「久しぶりだにゃ♪元気にしてた?」
「あ、あぁ。それより英二、なんで此処に?」
「そんなの決まってるじゃん、」
はるに逢いたかったから。
そう言ってはにかんだように笑った菊丸は次の瞬間、彼らしくのない小さな声で、
「それから、海が、見たかったの」
「え?」
「~っ!だから!はるの好きなもの、俺も好きになりたいの!」
菊丸の言い分によると、中学生の自分達にとってはたかが千葉と東京でも遠距離は遠距離。
お互い知らない事とかがたくさんあったり、好きなものもまるで違う。
だから、黒羽の事を少しでもたくさん知って、黒羽の好きなものを自分も好きになりたい。
と、言うことらしい。
「…は、ははは!」
「な、なんで笑うんだよっ!」
「いや、わりぃ。あんまりにもお前がさ、」
可愛かったから。
そういう黒羽は海をバックに最高の笑顔で。
目がそらせない程に格好良く、
───眩しかった。
(…ところでさぁ、俺らのこと忘れてるでしょ)
((さ、サエっ!?))
(全く…俺ら、最初から居たよ?)
(僕達そっちのけでラブラブモード入るのやめて欲しいのね~)
(よっ!バネさん色男!あ~あ、僕も彼女欲しいなぁ…)
((………))
*2008/06/14~