拍手ログ


*2008/02/17~
[前だけを見て。/桃菊]



「…桃、」

「なんすか?」

「俺のこと、好き?」

「…どしたんすか、急に」

「答えて」


不安で不安で仕方なくて、


「好きにきまってます」

「そ…か…、あの、」

「はい?」


もうすぐやってくる別れの季節に怯えてる。


(ずっと俺の側にいてくれる?)


たったそれだけ。

それだけの言葉かどうしても言えなくて、


「…なんでも、ない」

「へんな先輩」


嘘が嫌いな桃だから、

俺が嫌いなら側には居ない。

そんなことはわかってる

…けど、


「側に、居ますよ。貴方が望む限り、いつまでも」


いつだって、そう。

俺が不安な時、

一番安心できる言葉をくれた。


「…うん」


不安だったのが嘘のように、

俺の心は晴れていく。



──もう、大丈夫。

振り返らずに歩いて行ける。

いつもいつも、振り返りそうになるとき、

彼が背中を押してくれる。

だから、振り返らずに前だけをみて歩いて行ける。




(…ねぇ)
(なんすかー?)
(毎日逢おうね)
(もちろん、くんなって言われても行くつもりっス)



*2008/02/17~
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