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第一章
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任務明け、深夜の港。
街の明かりも少ない埠頭の端で、#名前#はひとり、ロープの点検をしていた。
「……まったく。あの新人、結び方ぐらい覚えろっての」
気だるげに呟きながらも、手は器用に動き続ける。
風が冷たく吹きつけ、黒髪が肩のあたりでふわりと揺れた。
その背を、遠くから眺める男がひとり。
「……なんで、そんなとこにいんのよ。アンタは」
クザンだった。
報告書を出すついでに、なんとなく港に寄ってみただけ――だったはずなのに。
目に入ったその背中を、なぜか見過ごせなかった。
「おーい。こんな時間まで何してんの」
声をかけると、#名前#は振り返りもせず、ひとこと。
「見ての通り。海軍ってのは仕事多いんだよ」
「……それ、オレの分じゃね?」
「だったら今度、奢って」
淡々とした口調で、でもほんの少しだけ笑みを滲ませて。
その一瞬を、クザンは見逃さなかった。
「……アンタ、ほんと変なヤツだよな」
そう言いながら隣に立ち、ロープを受け取る。
ふたりで肩を並べて仕事をするのは、実はこれが初めてだった。
「……でも、嫌じゃねぇ」
風が吹いても、なぜか寒くなかった。
静かな夜、ただ並んでいるだけの時間が、やけに落ち着く。
「あー……オレ、たぶん……」
モモが何か言う前に、クザンは自分の中に生まれた感情に、静かに気づいた。
「……アンタのこと、好きになっちまったな」
声に出したわけじゃない。
でも、その想いは確かにそこにあって。
横で黙々と働くモモの姿を、クザンは目を細めて見つめた。
「おい、ぼーっとしてんなよ。ロープ、逆に巻いてる」
「……マジで?やべ」
笑う#名前#に、クザンも笑い返した。
そんな他愛ないやりとりが、なぜか胸の奥をじんわりとあたためていた。
街の明かりも少ない埠頭の端で、#名前#はひとり、ロープの点検をしていた。
「……まったく。あの新人、結び方ぐらい覚えろっての」
気だるげに呟きながらも、手は器用に動き続ける。
風が冷たく吹きつけ、黒髪が肩のあたりでふわりと揺れた。
その背を、遠くから眺める男がひとり。
「……なんで、そんなとこにいんのよ。アンタは」
クザンだった。
報告書を出すついでに、なんとなく港に寄ってみただけ――だったはずなのに。
目に入ったその背中を、なぜか見過ごせなかった。
「おーい。こんな時間まで何してんの」
声をかけると、#名前#は振り返りもせず、ひとこと。
「見ての通り。海軍ってのは仕事多いんだよ」
「……それ、オレの分じゃね?」
「だったら今度、奢って」
淡々とした口調で、でもほんの少しだけ笑みを滲ませて。
その一瞬を、クザンは見逃さなかった。
「……アンタ、ほんと変なヤツだよな」
そう言いながら隣に立ち、ロープを受け取る。
ふたりで肩を並べて仕事をするのは、実はこれが初めてだった。
「……でも、嫌じゃねぇ」
風が吹いても、なぜか寒くなかった。
静かな夜、ただ並んでいるだけの時間が、やけに落ち着く。
「あー……オレ、たぶん……」
モモが何か言う前に、クザンは自分の中に生まれた感情に、静かに気づいた。
「……アンタのこと、好きになっちまったな」
声に出したわけじゃない。
でも、その想いは確かにそこにあって。
横で黙々と働くモモの姿を、クザンは目を細めて見つめた。
「おい、ぼーっとしてんなよ。ロープ、逆に巻いてる」
「……マジで?やべ」
笑う#名前#に、クザンも笑い返した。
そんな他愛ないやりとりが、なぜか胸の奥をじんわりとあたためていた。