小さな物語
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(sgi)
「あぁ、最悪」
そんな嘆きは誰もいないキャンパスに消えてって。
今日は早く帰れるはずだった。
駒場キャンパスからの電車のラッシュにも巻き込まれないほどの時間で、コンビニでちょっと高めのスイーツかって帰ろかななんて思ってたのに。
忘れ物を研究室に取りに戻ったのが運の尽き。
教授に面倒臭い資料のまとめと打ち込みを頼まれてしまったのだ。
それで仕事をこなし外にでたら雨が降っていたってわけ。
早く帰るつもりだったから傘は持ってないし。
近くにコンビニはないし。
泣きそう。
最近上手く行かない事ばかりで全て嫌になってきそう。
「奏?」
誰もいないと思ってた後ろから不意に声をかけられる。
それは今1番会いたくて、会いたくない人。
「駿貴、」
「どうした?今日は早く帰れそう♡なんてSNSに呟いてたのに。」
会いたくない理由は、忙しい恋人に最近上手く行かない事ばかりだとバレてしまうと困るからだ。
駿貴は、優しいから。
私がそれを1番よく分かってる。
「どうした?奏。
傘もってないの?じゃじゃーん俺は持ってきた!一緒に帰ろ。」
あなたの優しさに頷くことしか出来なくて私達は歩きはじめた。
「明日は?奏は休み?」
「ううん、三限から」
「じゃ、俺ん家泊まっててよ。」
「えっ、駿貴は忙しいでしょ。いいよ、大丈夫。私、帰るよ。」
これ以上あなたの優しさに入り込んでしまったら、私きっと…
「駄目。奏」
「えっ?」
「奏気づいてる?
さっき会った時は凄く泣きそうな顔してたし、最近は連絡してても元気なさそうだし。結構、会えなかった俺が悪いんだけど。」
「俺には泣いていいんだよ。」
なんて、なんて言われてしまったら。
1つ2つ出てきた涙は止まらなくて。
ぎゅうと抱きしめられた力は強いけど、それが愛おしくて。
たくさん泣いてスッキリした朝、駿貴は私に鍵を渡してきた。
「いつでも、来て。
中々会えないと俺だって奏不足だから。泣きたい時は頼ってよ。」
「ありがとう。駿貴こっち来て。」
「うん?」
そして、私は耳元で愛してるって呟いた。
「あぁ、最悪」
そんな嘆きは誰もいないキャンパスに消えてって。
今日は早く帰れるはずだった。
駒場キャンパスからの電車のラッシュにも巻き込まれないほどの時間で、コンビニでちょっと高めのスイーツかって帰ろかななんて思ってたのに。
忘れ物を研究室に取りに戻ったのが運の尽き。
教授に面倒臭い資料のまとめと打ち込みを頼まれてしまったのだ。
それで仕事をこなし外にでたら雨が降っていたってわけ。
早く帰るつもりだったから傘は持ってないし。
近くにコンビニはないし。
泣きそう。
最近上手く行かない事ばかりで全て嫌になってきそう。
「奏?」
誰もいないと思ってた後ろから不意に声をかけられる。
それは今1番会いたくて、会いたくない人。
「駿貴、」
「どうした?今日は早く帰れそう♡なんてSNSに呟いてたのに。」
会いたくない理由は、忙しい恋人に最近上手く行かない事ばかりだとバレてしまうと困るからだ。
駿貴は、優しいから。
私がそれを1番よく分かってる。
「どうした?奏。
傘もってないの?じゃじゃーん俺は持ってきた!一緒に帰ろ。」
あなたの優しさに頷くことしか出来なくて私達は歩きはじめた。
「明日は?奏は休み?」
「ううん、三限から」
「じゃ、俺ん家泊まっててよ。」
「えっ、駿貴は忙しいでしょ。いいよ、大丈夫。私、帰るよ。」
これ以上あなたの優しさに入り込んでしまったら、私きっと…
「駄目。奏」
「えっ?」
「奏気づいてる?
さっき会った時は凄く泣きそうな顔してたし、最近は連絡してても元気なさそうだし。結構、会えなかった俺が悪いんだけど。」
「俺には泣いていいんだよ。」
なんて、なんて言われてしまったら。
1つ2つ出てきた涙は止まらなくて。
ぎゅうと抱きしめられた力は強いけど、それが愛おしくて。
たくさん泣いてスッキリした朝、駿貴は私に鍵を渡してきた。
「いつでも、来て。
中々会えないと俺だって奏不足だから。泣きたい時は頼ってよ。」
「ありがとう。駿貴こっち来て。」
「うん?」
そして、私は耳元で愛してるって呟いた。