No.2
夢小説設定
あてんしょんぷりーず‼・この小説は完全二次創作の学パロ(?)です。
(人物関係に於いては原作大体忠実にします。)
・文スト×ヘタリアのクロスオーバー‼
・(文ストサイド)異能力は登場しません。
・(ヘタリアサイド)基本人物名での登場です。
・現実のアニメ名、人物名が若干登場するかも…(作者の趣味です…。)
それでも構わん‼という心優しき御方は是非どうぞ❗
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ブチッ……ツーツー、____
「太宰さん⁉」
中島敦は絶叫した。其の瞬間、敦に弾丸の雨が降り注いだ。無慈悲な程に、弾の数が多い。
「くっ‼」
敦は何とか弾を避けつつ、手頃な物陰に隠れた。此れで一先ず弾に当たる心配は無い。しかし、指揮を務める太宰へと繋がる筈の通信機が途切れてしまった。_何か有ったに違いない。
此処は去る横浜の軍事企業のロビー。其の襲撃の報を受け、探偵部と港組が合同で調査に来た次第である。そして、数多の敵兵士と対抗する形に成ったのだ_
「愚者め、敵からのこのこと逃げ出して来たか」_対岸の壁に身を潜める芥川龍之介が敦に吼える。
「お前こそ手が出せないのに『逃げ出した』とか云うな‼」そして続ける。「其れより、芥川、緊急事態だ_太宰さんからの通信が途絶えた」
「何だと?‼」芥川の血相が変わった。
「敵の攻撃を受けたに違いない。早く救援に」
「太宰さんに手を出すとはとんだ愚行をする輩だ。僕が切り刻んで_」芥川が云いかけた其の時。
「随分と余所見するんだな」
ややハスキーな声と共に、敦と芥川の頭上から銃弾が降った。ギリギリで回避する二人が体勢を整え直すと、前方には黒外套を纏った一人の男が立って居た。顔は頭巾で良く見えない。其の手には二丁の自動拳銃。
「其処を通せ」芥川が低く硬い声で続けた。「さもなくばお前を斬る」
「悪いがそうはいかねえ。そう云う仕事なんでな」男が手の内で拳銃を転がせた。
敦と芥川は覚悟を決めた。
「先に進むには、此奴を喰らわなくては成らぬ…か」
「同感だ…やるしかない」
闇の中で火花が散った。
芥川が黒外套から幾多もの短剣を取り出し、男に向かって投げ打った_一瞬の隙も無い。男は是等を全て避ける、或いは拳銃で打ち落とす、軌道を変える等して回避する。短剣が疎らになって、無惨に床に転がる。其処に、体勢を崩した男に目掛けて敦が拳の攻撃を繰り広げた。其のままの体勢のまま、男は僅かな動きで其れをかわしていく。そして敦の攻撃の一瞬の隙を突き、腹に強烈な蹴りを加えた。まともに攻撃を受けた敦の体が吹っ飛び、壁に激突した。
「人虎‼」
芥川の顔にも、いつの間にか男の拳が振りかざされて居た。重い‼なす術も無く、其のまま地面に叩きつけられる。
「此方、強い…」
敦はむせび、血を吐きながら呟いた。
其の玄関口にて。
「一体どうなって居るんだ‼」
国木田独歩は闇に吼えた。
傍らで通信機を持つ谷崎潤一郎が叫ぶ。「国木田さん!港組の部隊_黒蜥蜴の増援が有るッて連絡が」
「判った。只、今のままでは切りが無い‼敵の数が多い上に強い‼」そう叫びながらも、襲い掛かってきた兵士を次々と投げ飛ばす国木田を、谷崎は凄いと思った。しかしそんな感嘆も長く続かず、谷崎は襲い掛かる敵に対処する事で手一杯になる。其れでも、数が多い。
_先日の会議では、襲撃者は数十人ッてなっていたのに…
_今回は其の倍以上だ‼
国木田と谷崎が視線で会話をする。途端、谷崎が何かを感じ取ったのか、敵の攻撃の届かない物陰へと身を潜めた。銃弾が谷崎の居る物陰へと注がれる其の隙に、国木田は拳大の物体を敵の懐へと投げ入れた。爆弾かと思い、怯む敵達。
「谷崎行くぞ‼」
国木田と谷崎は一気に建物内部へと駆け込んだ。刹那、其の背後でけたたましい閃光と爆発音。攻撃が止んだ。
「敵に閃光榴弾を投げ入れた。少なくとも、黒蜥蜴が来る迄の時間は稼げた筈だ」其の証拠に、玄関口から、銃弾と銃弾とがぶつかり合う鈍い音が響いて来る。此れで敵からの攻撃の心配は減った。とは云え油断は許されない。
「国木田さん、急ぎましょう‼」谷崎が前方の階段を指し示す。
二人は建物の深淵へと足を踏み入れた。
「首の大動脈を伐るつもりだったのに……残念」
ぐ……と呻き声を上げて、黒外套の男が左肩を抱え、片膝を付いた。肩を庇う右手からは、じくじくと紅い血が溢れている。其の姿勢のまま、刃の追撃をかわし、彼女から距離を取る。
呆然とする敦と芥川の視線の先に居るは、薄く鮮血の滴る短刀を携えた和装の少女_泉鏡花。
「_鏡花ちゃん、来てくれたんだ」敦がふらふらの体で鏡花に歩み寄る。鏡花の小さな指が其の手を掴む。「…心配した」
「…鏡花か」芥川も又、身体を引摺らせながら鏡花と敦に近寄った。「お前は、太宰さんから、前線に出るべきでない、と云われた筈だ。何故」
「嫌な予感がした」鏡花が即座に応えた。「貴方達が敵に刈られるのではないか、と…来て良かった」
「戯けを…」其の芥川の声に張りは無かった。
「そいつは見事な予想だったな、お前」
黒外套の男が鏡花に言葉を投げた。右手は相変わらず左肩に添えられて居る。
「だが、此方の重装備に対して三人じゃ、準備が足りなかったんじゃあないか」
「三人では無い。判断を間違ったな」
低い声と共に、国木田と谷崎がロビーに入り込んだ。手には拳銃、手榴弾、ナイフ…文字通りの重装備である。
「…マジかよ」男が呟いた。
_知っている声?
国木田は頭の中の微かな疑問符を打ち消し、男に拳銃を向けた。
「聞け。今すぐ銃を捨て投降しろ。さもなくば」
谷崎がナイフを持った。「僕等でも容赦はしない」
「そんなんでビビるならこんな仕事しねえよ」男が彼等を嘲笑った様に応えた。
「…そう、残念」「………っ⁉」
いつの間にかか、鏡花が短刀を持って男の後ろに回り込んで居た。刃は真っ直ぐに男を狙って居る。其のまま、其れは音も無く気配も無く、男の胴体を
伐り裂かなかった。
床上から聞こえる破壊音。天井が崩れ落ち、其れがロビーの床に激突し、地の揺れとけたたましい量の瓦礫と塵を生み出す。鏡花達は其の風圧に耐え切れず、壁に激突した。
漸く薄ら目を開くと、_鏡花や芥川の短刀、国木田の拳銃、谷崎のナイフ、手持ちの武器と云う武器は全て破壊され、最早使い物にならなくなっていた。
男とは云うと_五人から少し距離を取った壁際で、
_紺色の外套を着た人間に支えられて立っていた。
男が呟く。
「遅えよ……切花」