岩融×今剣
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「ぼく、しっています。いちど、こわれたんですよね?」
例えるとしたら、そう。陸奥守の持っている銃に、心臓を撃ち抜かれたような衝撃だった。
俺が何も言えずにいると、今剣が続ける。
「ぼ、ぼくは…………っ。おもいだしました。ぼくが、こわれるまえのこと。そして、岩融のことや、このほんまるのみんなのことを」
「ぼくは、あつかしやまでいきたえました。よしつねこうをめのまえに。とても、くやしかった。せっかく、あいまみえたのに、ぼくは、てきにつかまってしまいました」
「…もうよい」
聞きたくなかった。まるで、俺を庇ったせいで死んだのだと、暗にそう言われている気がしてならなかった。
「ぼくは……、ぼくは、どうしても、もういちど、岩融にあいたかった。つたえたいことが、たくさんあったんです」
「今剣」
「だけど、あるじさまにとめられました。いまの岩融は、ぼくのせいでおちこんでしまっているから。ほんとうは、もっとまえから、このほんまるにいたんです。あるじさまが、ぼくにおまもりをくれたとき、おもいだしました」
「よせ」
「岩融のことが、いちばんにおもいうかびました。よしつねこうや、べんけいではなく。あるじさまでもなく、岩融、あなたです。あらためて、ぼくはほんとうに、岩融がだいすきなんだと、じっかんしました」
「止めてくれ」
「いいえ。ぼくは、しあわせなんです。なのに、岩融がそんなつらそうなかおをして、したをむいているのがぼくにはわかりません。なぜなのか。岩融はじぶんをせめているけど、……でも、岩融はわるくありません」
「……だって、ぼくのほうが、しげんをつかわずにてにいれることができる。岩融は、このほんまるのたんとうたちの、きぼうなんです。ぼくはそんざいするかわからないのに、こんなに、ひつようとされてうれしいんです、岩融」
今剣の目には、大粒の涙が、どうにか留まろうと浮かんでいた。
やがてそれは耐えられなくなり、頬を伝い落ちた。
「岩融………、ぼく、まだまだよわいです。つよく、なりたいんです」
今剣はこっちによってきた。俺も、それに応えるように手を広げた。
今剣を腕に収めた時、これが幸せかと不覚にも思った。
違う。
確かに今も幸せだ。……だが、本当の幸せとはきっと、なんでもないただの日常の中に存在するのだろう。
心の奥底に眠っていた何かが溢れて、零れ落ちた。
「はあ…………。岩融、ぼくはずうぅっと、こうしてほしかったんです。……きおくのないふりをするのは……つらかったです」
「……許してくれ。今剣。俺を庇ったせいで折れ、お前の顕現を望んだのに素っ気ない態度をとった。兄弟失格だ。俺にはお前にこうする資格なんて、ありもしないのに」
「なのにまだ、お前のことを離せない。離したくないんだ。嫌ならこのまま……」
言いかけた時、今剣は俺に近づいた。
「岩融。じぶんをせめないでと、さきほどもいいましたよね?」
そう言って、俺の唇にそっと口を付けた。
例えるとしたら、そう。陸奥守の持っている銃に、心臓を撃ち抜かれたような衝撃だった。
俺が何も言えずにいると、今剣が続ける。
「ぼ、ぼくは…………っ。おもいだしました。ぼくが、こわれるまえのこと。そして、岩融のことや、このほんまるのみんなのことを」
「ぼくは、あつかしやまでいきたえました。よしつねこうをめのまえに。とても、くやしかった。せっかく、あいまみえたのに、ぼくは、てきにつかまってしまいました」
「…もうよい」
聞きたくなかった。まるで、俺を庇ったせいで死んだのだと、暗にそう言われている気がしてならなかった。
「ぼくは……、ぼくは、どうしても、もういちど、岩融にあいたかった。つたえたいことが、たくさんあったんです」
「今剣」
「だけど、あるじさまにとめられました。いまの岩融は、ぼくのせいでおちこんでしまっているから。ほんとうは、もっとまえから、このほんまるにいたんです。あるじさまが、ぼくにおまもりをくれたとき、おもいだしました」
「よせ」
「岩融のことが、いちばんにおもいうかびました。よしつねこうや、べんけいではなく。あるじさまでもなく、岩融、あなたです。あらためて、ぼくはほんとうに、岩融がだいすきなんだと、じっかんしました」
「止めてくれ」
「いいえ。ぼくは、しあわせなんです。なのに、岩融がそんなつらそうなかおをして、したをむいているのがぼくにはわかりません。なぜなのか。岩融はじぶんをせめているけど、……でも、岩融はわるくありません」
「……だって、ぼくのほうが、しげんをつかわずにてにいれることができる。岩融は、このほんまるのたんとうたちの、きぼうなんです。ぼくはそんざいするかわからないのに、こんなに、ひつようとされてうれしいんです、岩融」
今剣の目には、大粒の涙が、どうにか留まろうと浮かんでいた。
やがてそれは耐えられなくなり、頬を伝い落ちた。
「岩融………、ぼく、まだまだよわいです。つよく、なりたいんです」
今剣はこっちによってきた。俺も、それに応えるように手を広げた。
今剣を腕に収めた時、これが幸せかと不覚にも思った。
違う。
確かに今も幸せだ。……だが、本当の幸せとはきっと、なんでもないただの日常の中に存在するのだろう。
心の奥底に眠っていた何かが溢れて、零れ落ちた。
「はあ…………。岩融、ぼくはずうぅっと、こうしてほしかったんです。……きおくのないふりをするのは……つらかったです」
「……許してくれ。今剣。俺を庇ったせいで折れ、お前の顕現を望んだのに素っ気ない態度をとった。兄弟失格だ。俺にはお前にこうする資格なんて、ありもしないのに」
「なのにまだ、お前のことを離せない。離したくないんだ。嫌ならこのまま……」
言いかけた時、今剣は俺に近づいた。
「岩融。じぶんをせめないでと、さきほどもいいましたよね?」
そう言って、俺の唇にそっと口を付けた。
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