岩融×今剣
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お前が折れてから、1週間経った。
***
「…………っ、岩融っ………………。ぼ、ぼくが……………おれて、も………。また…………あえます、から………………。どのぼ、くも………、岩融がだいすきな………、あま、えんぼう……………だから………………」
「今剣!もういい!喋るな!!今すぐ連れ帰る!!」
「岩融…………。ありがとう、ございます…………。でも、もう……………ておくれ……………………です…………………。岩融……………………、だいすき、です…………………」
「うわあああああああああっ!!!!」
がばっと起き上がったその先には、何も無かった。今剣も、いない。
隣の布団にあるのは、今剣の破片だけ。
「…………今剣よ、またお前の夢を見てしまった」
小さく呟くと、いそいそと着替えた。
今まで今剣が手伝ってくれていた着替えも、いなくなったお陰、というのか、1人でもやすやすと着られるようになった。
「こう寂しいと、つい張り切ってしまうな」
と、独り言を言って、今日の内番表を見に行った。
廊下をぱたぱたと歩いていると、主に会った。
「よう、主」
「おはようございます、岩融。よく眠れましたか?」
「ああ。おかげさまで」
主の顔は、布のようなもので隠されていて、表情は読めない。だから、声で感じないといけない。
「岩融。答えは出ましたか?」
体が、一瞬強ばった。
答え、というのは、今剣を顕現させるかどうかというものだった。
主は、今剣と1番仲の良かった俺に、今剣の顕現を任せてくれた。
もしかすると、今まで何度も顕現してはいたものの、騒ぎにならないうちに刀解していたのかもしれない。
1週間前、ちょうど今剣が折れた少しあと、主は俺に言った。
「形あるものはいつか壊れます。…して、新しい今剣の顕現を望みますか?」
と。
物事に冷静な主だと知ってはいたが、大切な刀が折れてもここまで冷静でいられるのかとびっくりしたものだ。
何度も自問自答した。きっと、この本丸には今剣はいなければならない存在だ。しかし、来たとて、だ。俺に前のように今剣と接することが出来るか?いや、時間が必要であるし、たとえ時間が十二分に経ったとしても、前の今剣のことを忘れることは出来まい。
「…もう、時間は無いのか」
「そろそろ、大阪城の探索が、政府から命じられます。そこに、あなたと今剣とその他の刀剣男士たちで捜索に出てほしいのです。ここの短刀たちは、みな今剣を恋しがっていますから。また、私はあなたと今剣の素晴らしい戦いを見たい。そう考えておりますし、あなたと今剣は最高に強いと思っております」
主の言葉は、冷静ではなく、温かみを帯びていた。
俺は、その言葉に後押しされた。
「今剣を、どうか、鍛刀し、顕現させていただきたい」
***
俺が主に、今剣の顕現を申し出てから、2日が経った。
眠れぬ夜を過ごし、朝方、バタバタと近づく足音が聞こえた。
「岩融くん、起きて!嬉しい報せだよ!」
近侍である燭台切光忠の声だ。
「……承知した、直ぐに向かおう」
ほぼ、分かっていた。きっと、今剣が、顕現したんだ────。
「ぼくは、よしつねこうのまもりがたななんですよ!どうです、すごいでしょう!」
嬉しい。だが、同時に寂しい気持ちも出てきて、今剣を素直な目で見ることが出来なかった。
「岩融!おひさしぶりですね!このすがたになってあうのは、はじめてですもんね!ほほぅ…ずいぶんおおきくなって…うらやましいです!」
今剣は、前の記憶を持っていなかった。
前に、五虎退が、折れた際に、主が五虎退の破片をぱらぱらと入れて、鍛刀し、見事に折れる前の記憶を持った五虎退が顕現した。
もしかすると──、主は«わざと»、今剣の破片を入れなかったのかもしれない。
「岩融、よろしくおねがいしますね!!」
***
「…………っ、岩融っ………………。ぼ、ぼくが……………おれて、も………。また…………あえます、から………………。どのぼ、くも………、岩融がだいすきな………、あま、えんぼう……………だから………………」
「今剣!もういい!喋るな!!今すぐ連れ帰る!!」
「岩融…………。ありがとう、ございます…………。でも、もう……………ておくれ……………………です…………………。岩融……………………、だいすき、です…………………」
「うわあああああああああっ!!!!」
がばっと起き上がったその先には、何も無かった。今剣も、いない。
隣の布団にあるのは、今剣の破片だけ。
「…………今剣よ、またお前の夢を見てしまった」
小さく呟くと、いそいそと着替えた。
今まで今剣が手伝ってくれていた着替えも、いなくなったお陰、というのか、1人でもやすやすと着られるようになった。
「こう寂しいと、つい張り切ってしまうな」
と、独り言を言って、今日の内番表を見に行った。
廊下をぱたぱたと歩いていると、主に会った。
「よう、主」
「おはようございます、岩融。よく眠れましたか?」
「ああ。おかげさまで」
主の顔は、布のようなもので隠されていて、表情は読めない。だから、声で感じないといけない。
「岩融。答えは出ましたか?」
体が、一瞬強ばった。
答え、というのは、今剣を顕現させるかどうかというものだった。
主は、今剣と1番仲の良かった俺に、今剣の顕現を任せてくれた。
もしかすると、今まで何度も顕現してはいたものの、騒ぎにならないうちに刀解していたのかもしれない。
1週間前、ちょうど今剣が折れた少しあと、主は俺に言った。
「形あるものはいつか壊れます。…して、新しい今剣の顕現を望みますか?」
と。
物事に冷静な主だと知ってはいたが、大切な刀が折れてもここまで冷静でいられるのかとびっくりしたものだ。
何度も自問自答した。きっと、この本丸には今剣はいなければならない存在だ。しかし、来たとて、だ。俺に前のように今剣と接することが出来るか?いや、時間が必要であるし、たとえ時間が十二分に経ったとしても、前の今剣のことを忘れることは出来まい。
「…もう、時間は無いのか」
「そろそろ、大阪城の探索が、政府から命じられます。そこに、あなたと今剣とその他の刀剣男士たちで捜索に出てほしいのです。ここの短刀たちは、みな今剣を恋しがっていますから。また、私はあなたと今剣の素晴らしい戦いを見たい。そう考えておりますし、あなたと今剣は最高に強いと思っております」
主の言葉は、冷静ではなく、温かみを帯びていた。
俺は、その言葉に後押しされた。
「今剣を、どうか、鍛刀し、顕現させていただきたい」
***
俺が主に、今剣の顕現を申し出てから、2日が経った。
眠れぬ夜を過ごし、朝方、バタバタと近づく足音が聞こえた。
「岩融くん、起きて!嬉しい報せだよ!」
近侍である燭台切光忠の声だ。
「……承知した、直ぐに向かおう」
ほぼ、分かっていた。きっと、今剣が、顕現したんだ────。
「ぼくは、よしつねこうのまもりがたななんですよ!どうです、すごいでしょう!」
嬉しい。だが、同時に寂しい気持ちも出てきて、今剣を素直な目で見ることが出来なかった。
「岩融!おひさしぶりですね!このすがたになってあうのは、はじめてですもんね!ほほぅ…ずいぶんおおきくなって…うらやましいです!」
今剣は、前の記憶を持っていなかった。
前に、五虎退が、折れた際に、主が五虎退の破片をぱらぱらと入れて、鍛刀し、見事に折れる前の記憶を持った五虎退が顕現した。
もしかすると──、主は«わざと»、今剣の破片を入れなかったのかもしれない。
「岩融、よろしくおねがいしますね!!」
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