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今頃、尾形さんは彼女とデートしてるのかな。
彼からの連絡を待っている時間はいつも尾形さんの彼女のことばかりを考えてしまう。
あんなに素敵な尾形さんとお付き合いできるんだもん。きっとすごく美人で、器量が良くて、2人で並んでいる姿がとても様になって素敵な人なんだろうな。尾形さんに大事にされてみたい、私も尾形さんのこととっても大事にするから。
ふと鏡を見ると、そこには休日と尾形さんには不釣り合いな自分がいた。
連絡をされないということは、私よりも彼女の方がいいんだよね。そりゃそうだよ。だって彼女がいるのにわざわざこんな芋っぽい女とデートする意味がないもんね。
2番目ということはずっと彼女と比べられるということなのだ。私はようやくこの恋の成就が難しいことに気づいた。
それでも、私は彼のことが諦めきれなかった。心が彼を求めているんだ。
すぐにいつもは気が引けてしまうような美容院へ駆け込んだ。恥ずかしかったが、勇気を出して似合う可愛い髪型にしてくださいと頼んだ。次にデパートのコスメカウンターに行き、フルセット選んでもらった。そしてみんな着ているようなオーソドックスな服ばかり着ていたが、私に似合うオフィススタイルを数式と彼とのデートにそなえて花柄のワンピースを新調した。帰りショーウィンドウにうつった自分を見た。染めたこともなかった黒髪はこげ茶で肩くらいの長さで美容師さんにアレンジしてもらいふわふわしている。顔はこれまで薄いファンデと眉毛と口紅だけだったのに、私に似合う色、質感、塗り方を教えてもらい、いつもよりずっとキラキラした自分がいた。
明日は長身でスレンダーだからと選んでもらった少しボリュームのあるブラウスとフレアパンツを履いて出社しよう。いつもより1時間早く起きなければいけないのに、今日の出費はかなり痛いものなのに、いつもよりずっとワクワクしている自分がいた。
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