序章
夢設定
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ある昼下がり
季節は暑いままだが確かに夏の終わりを感じる頃
私、ユイは自室で葛藤していた。
夏休みはもう終わるというのに宿題が全く終わっていない。
今年こそは早く終わらせると意気込んでいた筈なのにいざ夏休みが始まるとゲームをしてしまう。
学生ならよくある話だろう。
私ユイも例に漏れずゲームの甘い誘惑に負けて宿題に手をつけれていない。
これはきっとゲーム機が部屋にあるのがいけない。
つまり、部屋から出してしまえば私は勉強する気持ちになるだろう。
私は充電が赤色となった3DSの電源を落とし徐にドアに手をかける。
これは仕方のない事だったのだ。
こうでもしなければ私はゲームしかしない。
寧ろこの選択を選べた私は偉い方だと思う。
しかし、3DSを見るとやりたくなってしまう。
自分のゲーム依存に嫌気が差すがゲーム機を部屋から追い出す為ドアを開ける。
前を見ずに歩く。
木にぶつかった
驚いて前を向くとそこは蝉が煩いくらい鳴いている森の中だった。
慌てて後ろを振り向くと扉がキキィ…と音を立てて閉まっていく所だった。
これを逃したら帰れる保証は無くなる
何がなんでも扉に入らなければ…
「シュボォ…。」
反射的に振り返ってしまうとそこには「ヒトモシ」がいた。
トレードマークともいえる青い炎は灯っていない。
見ると少し苦しそうにしていて声もどこか元気がなさそうだった。
私はヒトモシの図鑑情報を調べようとスマホを取り出そうとした。
すると、よくあるステータスバーが目の前に映し出された。
ステータスバーには自動的に「ヒトモシ 図鑑説明」と書かれてすぐに図鑑説明が表示された。
全くもって意味が分からないがそもそもこの状況が意味分からない為気にしない事にしてステータスバーに感謝しながら文章を読む。
『普段 炎は 消えているが 人や ポケモンの 生命力を 吸いとると 炎は きらめく。』
これを読む限り消えていても別におかしい訳ではないようだがヒトモシは弱っているように見える。
ただでさえ目の前にポケモンがいるだけではしゃげるというのに思い出深いポケモンが弱った姿でいたら助けたいの一心だった。
ポケモンセンターが何処にあるかも分からない今、ヒトモシを救えるのは自分しかいない。
救えるかなんて分からないが少しでもよくなるかもならやれる事はやってみよう。
そう考えて私はヒトモシに呼びかけた。
『私の生命力を吸って体調がよくなるなら吸って。』
言葉も通じるか分からない、生命力がどれくらい吸われるかも分からないような一か八かの賭けをする。
ヒトモシの緑色の目をじっと見て私の意思を少しでも伝えようとしてみる。
ヒトモシは目を瞑ったかと思ったとき、段々とヒトモシの炎が灯っていく。
段々と大きくなっていくときに気づく。
私の知っているヒトモシの炎がいつもより明るいことに
よくよく考えたら目も本来緑ではなかったような…?
またステータスバーが勝手に作動して画像が表示される。
目の前にいるヒトモシと同じポケモン写真
その隣に文字が書かれていた。
「色違い」と。
ポケモンをやっていて私が初めてゲットした色違いは…ヒトモシだった。
これは何かの運命だったりするのだろうか。
本来だったらこんな森に出る筈のないヒトモシがしかも色違いで私の目の前に現れる。
ヒトモシは元気を取り戻したのかくるりと一回転してニッコリ笑った。
「モッシ!」
可愛さで無事に死にかけた。
扉がなくなっている事も知らずに見惚れるユイでだった。