雪が降る幸せな夜
深夜、寒さで目が覚めた。外が少し明るい気がして見てみると、雪が静かに降り積もっていた。
「わあ……」
庭を染める白に、思わず感嘆の声が漏れる。これなら寒いのも納得だ。
「綺麗……」
「姫さん、風邪引くぜ?」
振り返ると、鶴丸が後ろから審神者を抱き締めてきた。彼も起きてしまったらしい。
「鶴丸、お庭がとても綺麗ですよ」
「まあ確かに綺麗だが……寝間着でずっと見てたら身体が冷えちまう」
「ふふ、そうですね。じゃあ身体をあたためるために、甘酒でも飲みますか?」
「おっ、いいな」
鶴丸とふたりで、ミニキッチンに向かう。冷蔵庫から甘酒を出して、ミルクパンでゆっくりとあたためる。審神者は甘酒に牛乳を混ぜるのが好きだった。牛乳を甘酒と同量入れれば、ふわりと甘い香りが空間に漂う。
「はい、できましたよ」
ふたり分の甘酒が完成して、ひとつを鶴丸に手渡す。こくりとひと口飲むと、深夜の空気で冷えた身体がじんわりと内側から温まった。
「おいしい……」
「このうまさは冬ならではだな……」
ふと、昔雪の日に殴られたことを思い出す。雨や雪の日は夫が外に遊びに行かないので、いつも殴られていた。だから天気予報で天気が崩れると聞いた時は、覚悟を決めたものだ。
「姫さん、何考えてたんだ?」
「ふふっ、少し、昔のことを」
けれど今は雪が降ったら、短刀たちと遊ぶことを考えている。鶴丸とかまくらを作るのだっていい。食事はあたたかいものが喜ばれるだろう。
「……」
鶴丸は何も言わずに、マグカップを置いて審神者を抱き締めた。
「大丈夫ですよ。今は幸せですから。ね?」
「姫さんはずっと幸せでいいんだ。二度と痛い思いなんてさせないからな」
優しい優しい彼は、審神者が傷ついた過去ごと抱き締めてくれる。それが嬉しくて、愛おしかった。
「さあ、甘酒を飲んだら寝ましょう? 明日はあったかいお味噌汁を作りましょうね」
「……いいな。具は何にするんだ?」
「うーん……小松菜か、かぼちゃか……ああ、キャベツもいいですね」
「腹が減ってきたな……」
「ふふ、朝のお楽しみに取っておいてください」
審神者は鶴丸の背中をぽんぽんと叩く。
「朝ごはんを食べたら、一緒に雪遊びをしましょう? 私、かまくらを作りたいです」
「任せとけ。最高に大きいのをふたりで作っちまおう」
「みんなは雪合戦ですかね? 怪我だけはしないようにしてほしいんですが……」
「やんちゃな奴らばっかりだからな。大喧嘩になるのに賭けるか。かまくらの中で観戦しようぜ」
鶴丸はそっと、審神者の額に口づけを落とす。雪が降りしきる夜なのに、寒さはもう感じなかった。
「わあ……」
庭を染める白に、思わず感嘆の声が漏れる。これなら寒いのも納得だ。
「綺麗……」
「姫さん、風邪引くぜ?」
振り返ると、鶴丸が後ろから審神者を抱き締めてきた。彼も起きてしまったらしい。
「鶴丸、お庭がとても綺麗ですよ」
「まあ確かに綺麗だが……寝間着でずっと見てたら身体が冷えちまう」
「ふふ、そうですね。じゃあ身体をあたためるために、甘酒でも飲みますか?」
「おっ、いいな」
鶴丸とふたりで、ミニキッチンに向かう。冷蔵庫から甘酒を出して、ミルクパンでゆっくりとあたためる。審神者は甘酒に牛乳を混ぜるのが好きだった。牛乳を甘酒と同量入れれば、ふわりと甘い香りが空間に漂う。
「はい、できましたよ」
ふたり分の甘酒が完成して、ひとつを鶴丸に手渡す。こくりとひと口飲むと、深夜の空気で冷えた身体がじんわりと内側から温まった。
「おいしい……」
「このうまさは冬ならではだな……」
ふと、昔雪の日に殴られたことを思い出す。雨や雪の日は夫が外に遊びに行かないので、いつも殴られていた。だから天気予報で天気が崩れると聞いた時は、覚悟を決めたものだ。
「姫さん、何考えてたんだ?」
「ふふっ、少し、昔のことを」
けれど今は雪が降ったら、短刀たちと遊ぶことを考えている。鶴丸とかまくらを作るのだっていい。食事はあたたかいものが喜ばれるだろう。
「……」
鶴丸は何も言わずに、マグカップを置いて審神者を抱き締めた。
「大丈夫ですよ。今は幸せですから。ね?」
「姫さんはずっと幸せでいいんだ。二度と痛い思いなんてさせないからな」
優しい優しい彼は、審神者が傷ついた過去ごと抱き締めてくれる。それが嬉しくて、愛おしかった。
「さあ、甘酒を飲んだら寝ましょう? 明日はあったかいお味噌汁を作りましょうね」
「……いいな。具は何にするんだ?」
「うーん……小松菜か、かぼちゃか……ああ、キャベツもいいですね」
「腹が減ってきたな……」
「ふふ、朝のお楽しみに取っておいてください」
審神者は鶴丸の背中をぽんぽんと叩く。
「朝ごはんを食べたら、一緒に雪遊びをしましょう? 私、かまくらを作りたいです」
「任せとけ。最高に大きいのをふたりで作っちまおう」
「みんなは雪合戦ですかね? 怪我だけはしないようにしてほしいんですが……」
「やんちゃな奴らばっかりだからな。大喧嘩になるのに賭けるか。かまくらの中で観戦しようぜ」
鶴丸はそっと、審神者の額に口づけを落とす。雪が降りしきる夜なのに、寒さはもう感じなかった。