苗字は産屋敷で固定させていただきます。
第3章
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四百年前のあの日赤い月の夜だった
黒死牟は信じられぬものを見た
老いさらばえた弟の姿がそこにはあった
継国縁壱双子の弟
最後に会ってから六十数年の時が経っていた
人間のままの縁壱は齢八十を超えているはず
「...有り得ぬ何故生きている?皆死ぬはずだ二十五になる前に何故お前は...何故お前だけが」
「お労しや兄上。...藤枝様も悲しんでおられた...」
「‼︎何故お前が藤枝を...」
「鬼殺隊の手が彼女に届く前に私が連れ去りました。今は安全な場所にいる故...」
その時黒死牟は酷い嫉妬に駆られた
(何故藤枝が縁壱と...まさか藤枝までも私より縁壱を選ぶのか...)
「参る」
縁壱が構え一歩動いた瞬間黒死牟の頚が斬られた
黒死牟が咄嗟に避けた為頚が落ちることは無かったが力の差は歴然であった
(何故いつもお前だけが特別なのだ?)
鮮やかに記憶が残る六十年前の怨毒の日々
骨まで焼き尽くすような嫉妬心
(お前が憎い殺したい)
しかし黒死牟は次の一撃で頚を落とされる確信があった
焦燥と敗北感で五臓六腑が捻じ切れそうだった
だが、次の一撃が放たれることは終ぞ無かった
縁壱は直立したまま寿命が尽きて死んでいた
あともうひと呼吸縁壱の寿命が長ければ己が負けていた確信があった
鬼となった黒死牟はその屈辱を何百年も味わい続けた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(縁壱が死んだ以上私は負けるわけにいかないのだ。そうだ勝ち続け藤枝と共に永遠を生きることを選んだのだ...このような醜い姿になってまで)
不死川と悲鳴嶼が頚を斬る直前、黒死牟は地鳴りのような咆哮をあげ己に絡み付く木の根を藤枝諸共斬り落とした
藤枝は咄嗟に血鬼術で不死川と悲鳴嶼を遠くに飛ばした
そのおかげで二人に大きな怪我は無かった
体から刃を出すなんて...
離すな刀を離すな!
無一郎から託されたこの刀を!
何とかしなきゃこのままじゃ私以外皆死ぬ!!
私が何とかしなきゃ...力を貸して縁壱様...‼︎
藤枝が手に力を入れた瞬間刃が赤くなった
その刃は黒死牟の内臓を灼きつくした
ー血鬼術・蔓結刺藤ー
(何だこれは藤枝の血鬼術か...‼︎毒が身体を廻る。それにこの刃だ身体に力が入らぬ...)
悲鳴嶼の刀が頚に当たり不死川が押し込み頚を斬り落とした
しかし、黒死牟は刀を握る藤枝を抱えたまま二人の追撃を躱し頭を再生した
(克服したこれでどんな攻撃も無意味太陽の光以外はこれで私は誰にも負けることはない...そうだ、藤枝は無事か...)
今も己の身体に刀を突き刺したままの藤枝を覗き込んだ二人の目が合ったとき彼女の瞳に反射した己の姿が見えた
(何だこの醜い姿は...)
藤枝が刀を抜いた瞬間黒死牟の身体は刺された場所から崩壊を始めた
「巌勝様...私は貴方を今でも愛しています。でも、もう止めましょう...終わりにしましょう」
そう言い放ち藤枝は頚を斬り落とした
巌勝の瞳に最後に映ったものは、顔を歪めながら泣く藤枝の姿だった
違う私はお前を泣かせたかったのではない
私は縁壱の様に強くなりお前を守りたかった
共に生きたかった...だから...
"ならば鬼になれば良いではないか。鬼となれば無限の刻を生きられる"
そうだ、だから私は鬼となった
ここまでしても駄目なのか?
人間であることを捨て、藤枝を置いて行き、侍であることも捨てた
何も残せず、何者にもなれなかった
只愛する人の笑顔を守り、永遠に生きたかった
それすらも出来ず最後に見たものは愛する者の涙
巌勝が最後に思い出したのは藤枝の笑顔と縁壱の顔だった
私は一体何がしたかったのだ?何の為に生まれて来たのだ
...教えてくれ縁壱
四百年前のあの日赤い月の夜だった
黒死牟は信じられぬものを見た
老いさらばえた弟の姿がそこにはあった
継国縁壱双子の弟
最後に会ってから六十数年の時が経っていた
人間のままの縁壱は齢八十を超えているはず
「...有り得ぬ何故生きている?皆死ぬはずだ二十五になる前に何故お前は...何故お前だけが」
「お労しや兄上。...藤枝様も悲しんでおられた...」
「‼︎何故お前が藤枝を...」
「鬼殺隊の手が彼女に届く前に私が連れ去りました。今は安全な場所にいる故...」
その時黒死牟は酷い嫉妬に駆られた
(何故藤枝が縁壱と...まさか藤枝までも私より縁壱を選ぶのか...)
「参る」
縁壱が構え一歩動いた瞬間黒死牟の頚が斬られた
黒死牟が咄嗟に避けた為頚が落ちることは無かったが力の差は歴然であった
(何故いつもお前だけが特別なのだ?)
鮮やかに記憶が残る六十年前の怨毒の日々
骨まで焼き尽くすような嫉妬心
(お前が憎い殺したい)
しかし黒死牟は次の一撃で頚を落とされる確信があった
焦燥と敗北感で五臓六腑が捻じ切れそうだった
だが、次の一撃が放たれることは終ぞ無かった
縁壱は直立したまま寿命が尽きて死んでいた
あともうひと呼吸縁壱の寿命が長ければ己が負けていた確信があった
鬼となった黒死牟はその屈辱を何百年も味わい続けた
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(縁壱が死んだ以上私は負けるわけにいかないのだ。そうだ勝ち続け藤枝と共に永遠を生きることを選んだのだ...このような醜い姿になってまで)
不死川と悲鳴嶼が頚を斬る直前、黒死牟は地鳴りのような咆哮をあげ己に絡み付く木の根を藤枝諸共斬り落とした
藤枝は咄嗟に血鬼術で不死川と悲鳴嶼を遠くに飛ばした
そのおかげで二人に大きな怪我は無かった
体から刃を出すなんて...
離すな刀を離すな!
無一郎から託されたこの刀を!
何とかしなきゃこのままじゃ私以外皆死ぬ!!
私が何とかしなきゃ...力を貸して縁壱様...‼︎
藤枝が手に力を入れた瞬間刃が赤くなった
その刃は黒死牟の内臓を灼きつくした
ー血鬼術・蔓結刺藤ー
(何だこれは藤枝の血鬼術か...‼︎毒が身体を廻る。それにこの刃だ身体に力が入らぬ...)
悲鳴嶼の刀が頚に当たり不死川が押し込み頚を斬り落とした
しかし、黒死牟は刀を握る藤枝を抱えたまま二人の追撃を躱し頭を再生した
(克服したこれでどんな攻撃も無意味太陽の光以外はこれで私は誰にも負けることはない...そうだ、藤枝は無事か...)
今も己の身体に刀を突き刺したままの藤枝を覗き込んだ二人の目が合ったとき彼女の瞳に反射した己の姿が見えた
(何だこの醜い姿は...)
藤枝が刀を抜いた瞬間黒死牟の身体は刺された場所から崩壊を始めた
「巌勝様...私は貴方を今でも愛しています。でも、もう止めましょう...終わりにしましょう」
そう言い放ち藤枝は頚を斬り落とした
巌勝の瞳に最後に映ったものは、顔を歪めながら泣く藤枝の姿だった
違う私はお前を泣かせたかったのではない
私は縁壱の様に強くなりお前を守りたかった
共に生きたかった...だから...
"ならば鬼になれば良いではないか。鬼となれば無限の刻を生きられる"
そうだ、だから私は鬼となった
ここまでしても駄目なのか?
人間であることを捨て、藤枝を置いて行き、侍であることも捨てた
何も残せず、何者にもなれなかった
只愛する人の笑顔を守り、永遠に生きたかった
それすらも出来ず最後に見たものは愛する者の涙
巌勝が最後に思い出したのは藤枝の笑顔と縁壱の顔だった
私は一体何がしたかったのだ?何の為に生まれて来たのだ
...教えてくれ縁壱
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