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「そろそろバスタオル買い替えなきゃ、と思ってたんだよね」
そう言って、ちひろさんは通販サイトを見ながらぼそりと呟いた。……ちょっと待て。
「……ちなみに聞きますけど。バスタオルってどれっすか」
「え、これ」
向けられたスマホに映っていたのは、少し前に発売されたビジュアルバスタオル。ステージ衣装を着たオレがプリントされてるやつ。……いやいやいやいや。
「気は確かですか」
「酷いな。確かだよ、多分」
「頼むから、買わないでくださいね」
「なんで? 格好いいよ?」
「ありがとうございます、じゃなくて。普通にいたたまれないっす」
「ええ? 別に良くない?」
――まずい。オレの話を聞いてくれない。こういう時のちひろさんは、やたらと頑固というか、ちゃんと納得するまで自分の意見を変えることはない。
「……何が楽しくて、オレの恋人が『漣ジュン』を印刷したタオル使うとこ、見なくちゃいけねえんすか……」
「ああ、そういうこと? うーん、まあたしかに……」
「ね? やめましょ」
「確かに普通に使うと、なんだか背徳的な感じするよね。部屋に飾る用に買おうかな」
「買うなっつってんでしょうが」
「……そんなに嫌?」
「嫌です」
「そんなに嫌なら、うん、買わないけどさ」
渋々、といった様子で、テーブルにスマホを置く。やっと諦めてくれました?
「他の子のグッズがあるのも、それはそれで複雑そうにするくせに」
「それとこれは、話が別なんですよ……」
「ふうん? ジュンくんのことが好きだから、欲しいのになあ」
言われた言葉に、不意打ちを食らう。……アンタのそういうところが、心臓に悪いんですよねぇ……。
「こうやって、いま。隣に、すごく近い距離にいても、私は足りないくらいジュンくんが好き。近い距離にいるからこそなのかも。一緒にいるからこそ、もっともっと。好きになるんだと思う」
ふと真面目な顔をして、そんなことを言うもんだから。オレは柄にもなく動揺してしまう。
「……オレも、好きですよ。アンタのこと」
「知ってる」
当たり前でしょう、と言いたげにアンタが笑う。そして、再びスマホを手に取った。
「じゃあ、買っていい?」
「それとこれは、話が別です」
そんなの、完全拒否です。……なんでオレ以外のオレを傍に置かなくちゃいけないんすか。アンタだけの『漣ジュン』は、オレ1人で十分でしょ。
そう言って、ちひろさんは通販サイトを見ながらぼそりと呟いた。……ちょっと待て。
「……ちなみに聞きますけど。バスタオルってどれっすか」
「え、これ」
向けられたスマホに映っていたのは、少し前に発売されたビジュアルバスタオル。ステージ衣装を着たオレがプリントされてるやつ。……いやいやいやいや。
「気は確かですか」
「酷いな。確かだよ、多分」
「頼むから、買わないでくださいね」
「なんで? 格好いいよ?」
「ありがとうございます、じゃなくて。普通にいたたまれないっす」
「ええ? 別に良くない?」
――まずい。オレの話を聞いてくれない。こういう時のちひろさんは、やたらと頑固というか、ちゃんと納得するまで自分の意見を変えることはない。
「……何が楽しくて、オレの恋人が『漣ジュン』を印刷したタオル使うとこ、見なくちゃいけねえんすか……」
「ああ、そういうこと? うーん、まあたしかに……」
「ね? やめましょ」
「確かに普通に使うと、なんだか背徳的な感じするよね。部屋に飾る用に買おうかな」
「買うなっつってんでしょうが」
「……そんなに嫌?」
「嫌です」
「そんなに嫌なら、うん、買わないけどさ」
渋々、といった様子で、テーブルにスマホを置く。やっと諦めてくれました?
「他の子のグッズがあるのも、それはそれで複雑そうにするくせに」
「それとこれは、話が別なんですよ……」
「ふうん? ジュンくんのことが好きだから、欲しいのになあ」
言われた言葉に、不意打ちを食らう。……アンタのそういうところが、心臓に悪いんですよねぇ……。
「こうやって、いま。隣に、すごく近い距離にいても、私は足りないくらいジュンくんが好き。近い距離にいるからこそなのかも。一緒にいるからこそ、もっともっと。好きになるんだと思う」
ふと真面目な顔をして、そんなことを言うもんだから。オレは柄にもなく動揺してしまう。
「……オレも、好きですよ。アンタのこと」
「知ってる」
当たり前でしょう、と言いたげにアンタが笑う。そして、再びスマホを手に取った。
「じゃあ、買っていい?」
「それとこれは、話が別です」
そんなの、完全拒否です。……なんでオレ以外のオレを傍に置かなくちゃいけないんすか。アンタだけの『漣ジュン』は、オレ1人で十分でしょ。