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ふわあ、と欠伸を零した。
「眠たいんすか?」
最近ハマっているという漫画の最新刊から目を離し、ジュンは問いかけてきた。
「うん、ちょっと眠いかな」
「じゃあ、寝ましょ」
「ああ、いいよ。くつろいでて。私、先に休ませてもらうね」
「アンタがいないなら、ここにいる意味ないんで」
「……漫画、読みたいんじゃないの?」
「いつでも読めますし。せっかく泊まりに来たのに、どうせならもっと一緒にいたいんすけど……」
「……仕方ないなあ」
まったくもう、と言いたげに私はため息をついた。ううん、ジュンのこういうところにも惹かれているとはいえ、たまにどうしようもなく甘えてくるのは心臓に悪い。私の心臓が急に止まったとしたら、それはかなりの確率で、漣ジュンが原因だろう。
寝室に向かい、間接照明だけをつける。柔らかな橙色の光が枕元を照らし、さらに眠気を誘う。
ベッドに潜り込む。右隣にジュンが寝転び、自然な動作で私の腰あたりに右手を回した。最近太りつつあるので、あまりウエスト付近は触らないでほしい。とは思うものの、彼が私の横で眠る度、こうするのが嫌いではない。
お返しとばかりに、私も彼の背中に手を回した。お互いが向き合う形となり、自然と視線を絡める。普段でもあまりない極近距離に、なんだか気恥ずかしくなって笑いが零れた。
「明日も残業っすか?」
「うん。繁忙期だからね」
「お疲れ様です。あんまり無理しないでくださいね」
言葉の終わりと同じく、甘く蕩けたシトリンの瞳。あまりに綺麗なその色に、思わず手を伸ばす。頬を両手で包み込んで、決して爪を立てないように触れるか触れないか、そのギリギリのところで肌を滑らせる。
「眠くなると、甘えたになる所、変わんないっすねぇ……」
目を細めて、困ったようにジュンが笑う。腰に回されていた彼の右手が私の後頭部に移動する。そのまま優しく引き寄せられて、ほぼゼロ距離。お互いの息遣いすら交換して、表現できようもないほどの幸福感に満たされる。
「恋人にだからこそ甘えるの」
「それは……役得ってやつですね」
お互いの肌が吸いつく感触を伴いながら、私はゆるりと瞼を閉じた。
「眠たいんすか?」
最近ハマっているという漫画の最新刊から目を離し、ジュンは問いかけてきた。
「うん、ちょっと眠いかな」
「じゃあ、寝ましょ」
「ああ、いいよ。くつろいでて。私、先に休ませてもらうね」
「アンタがいないなら、ここにいる意味ないんで」
「……漫画、読みたいんじゃないの?」
「いつでも読めますし。せっかく泊まりに来たのに、どうせならもっと一緒にいたいんすけど……」
「……仕方ないなあ」
まったくもう、と言いたげに私はため息をついた。ううん、ジュンのこういうところにも惹かれているとはいえ、たまにどうしようもなく甘えてくるのは心臓に悪い。私の心臓が急に止まったとしたら、それはかなりの確率で、漣ジュンが原因だろう。
寝室に向かい、間接照明だけをつける。柔らかな橙色の光が枕元を照らし、さらに眠気を誘う。
ベッドに潜り込む。右隣にジュンが寝転び、自然な動作で私の腰あたりに右手を回した。最近太りつつあるので、あまりウエスト付近は触らないでほしい。とは思うものの、彼が私の横で眠る度、こうするのが嫌いではない。
お返しとばかりに、私も彼の背中に手を回した。お互いが向き合う形となり、自然と視線を絡める。普段でもあまりない極近距離に、なんだか気恥ずかしくなって笑いが零れた。
「明日も残業っすか?」
「うん。繁忙期だからね」
「お疲れ様です。あんまり無理しないでくださいね」
言葉の終わりと同じく、甘く蕩けたシトリンの瞳。あまりに綺麗なその色に、思わず手を伸ばす。頬を両手で包み込んで、決して爪を立てないように触れるか触れないか、そのギリギリのところで肌を滑らせる。
「眠くなると、甘えたになる所、変わんないっすねぇ……」
目を細めて、困ったようにジュンが笑う。腰に回されていた彼の右手が私の後頭部に移動する。そのまま優しく引き寄せられて、ほぼゼロ距離。お互いの息遣いすら交換して、表現できようもないほどの幸福感に満たされる。
「恋人にだからこそ甘えるの」
「それは……役得ってやつですね」
お互いの肌が吸いつく感触を伴いながら、私はゆるりと瞼を閉じた。
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