このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

0話


「ん……ふぁ…ぁああ……朝…ん…?」


身動きが出来ず不思議に思い、目を開ける。目の前にはローの寝顔があった。端正に整った顔立ち、普段の眉間のシワがない分幼くも見えドキッとする。[#dn=2#]がローの腕から抜け出そうと身をよじるとローが目を覚ました。


「ん……はよ」

「あ、お、おはようございますっ……あのっ…せ、せんっ…船長さんっ…な、何で私のっ…何でここに…」

「眠れたか」

「え?は、はいっ……あの、も、もう離して…」

「駄目だ。冷えてる」

「で、でも……ち、近っ…い…です…」


ガチャ


「[#dn=2#]〜、おはよう!ごめんね、今日一緒に寝られなくて。大丈夫だった?」

「あ、だ、大丈夫ですっ…あ、あの、ベポっ…」

「あ!キャプテンと寝てたんだね!よかった!」


ダイニングへ。


「あれ、船長が朝飯来るなんて珍しいっすね」

「あぁ」

「お、[#dn=2#]も起きてきたのか。おはよう、飯食うか?」

「はい。おはようございます。お願いします」

「ベポいなかったけど寝れたか?」

「は、はい」

「キャプテンと一緒に寝てたんだって。よく寝れたみたいで良かったよ〜」


ざわつくダイニング。すこしいたたまれない[#dn=2#]だった。


[#dn=2#]は雑用をポンポンとこなしていた。馴染んできて、[#dn=2#]も気が緩んでいたのだろう。


「あ、やべっ」
その声と共にガッシャァァンと大きな音が響く。背後でシャチが皿を割った音に驚いて耳と尻尾が出てしまった。


「え?!お前それ何?!」

「あ…え、えっと……これは…」

「犬?狼?」

「…狐です」

「悪魔の実か?」

「い、いえ、生まれつきで…」


クルーにまとめて質問責めにされる。


「あ、あのっ!!降参!!降参です!ちゃんと、全部話しますから。……聞いていただけますか」

「あぁ」


「わたしが生まれたのは、みなさんが見たあの村です」
4/6ページ
スキ