0話
窓から差し込む朝日が眩しい。[#dn=2#]は眉をひそめながら目を開けた。見慣れぬ天井と吊り下げられた輸液パックが朝日に照らされている。ゆっくりと上体を起こした。
「そうか、昨日……」
そっとベッドから降りようと床に足をつけた時。唐突に部屋のドアが開いた。
「あ、起きてたんだね。おはよう」
入って着たのはオレンジ色のツナギを着た白熊だった。
「お…おはようございます……??」
大きな口、大きな手には鋭い爪も見える。不思議と恐ろしいという印象を受けなかったのは、人の良さそうな笑顔でにこにこと笑っているからだろうか。
それにしても、なぜ白熊……??
「あぁ、悪い。驚かせたな」
その声の主は白熊に続いて顔を出した。白熊と色違いの白いツナギを着てPENGUINと書かれた帽子をかぶっている。
「[#dn=2#]、だったよな。俺はペンギン。こっちがベポ。これでも航海士だ。よろしくな」
「よろしくおねがいします…」
「早速だけど、着替え持ってきたんだ。その服汚れちゃってるし、点滴あるからオレが着替え手伝うよ!」
「待てベポ。その前に点滴替えるぞ」
ペンギンは手際よく輸液パックを交換していく。目元が帽子の影に隠れていたが、口元から表情は読み取れた。
「悪いな。俺たちが着替え手伝うのは嫌だろうからベポに任せようと思ったんだが、ベポの手だと細かい作業が難しいから」
「いえ、お気遣いありがとうございます」
「そういえば、朝食は食べられるか?動けるようなら食堂に食べに来たらどうかと思って。食欲ないなら果物だけでもいいと思うぞ」
「あ、えっと、ではお言葉に甘えて…」
「よし、コックに伝えとくな。じゃあ俺は先に行ってるから」
そう言ってペンギンは部屋から出て行った。ベポに手伝ってもらい、着替えては見たものの……
「あちゃー、やっぱり大きいよね。これでも一番小さいの選んできたんだけど……」
「すみません…」
「[#dn=2#]が謝ることじゃないよ!それなら、逆に大きいTシャツとかの方がいいかな。キャプテンのTシャツなら丈が長いしワンピースみたいに着れるかも」
「そ、そんな、勝手にいいんですか…?!私は大丈夫ですから、そこまでご迷惑をおかけするわけには……!」
「大丈夫。キャプテンこんな事で怒らないから」
結局Tシャツはワンピースとしては十分な丈だった。[#dn=2#]は少し戸惑いながらもベポに連れられて食堂へ向かった。
食堂はクルーで賑わっていた。皆お揃いの白いツナギを着ている。それぞれ思い思いに食事をしていたが、ベポと共に入ってきた[#dn=2#]に視線が集まった。[#dn=2#]は思わずベポの背中に隠れる。
「お、元気そうだな!おはよう!」
そう声をかけてきたのは、サングラスをかけてキャスケット帽をかぶった男性。
「お、おはようございます……」
「おはよう、シャチ。[#dn=2#]は何食べる?」
「えっと、私は何でも……」
「そうだなぁ、リンゴ食べるか?起きてすぐだしガッツリ食えないだろ」
「あ、はい。では、それで……」
「うん。もらってきてやるから座ってな。」
[#dn=2#]はその日、昼も夜も食事は果物のみだった。
海賊とは言っていたけど、この船の人達はいい人達のようだ。私はこれからどうしたらいいんだろう。
考えてはみたものの頭の中は靄がかかったようにぼんやりとしていた。夜が更けていってもあまり眠れず、ベッドに座ってぼーっと月を眺めていた。
「そうか、昨日……」
そっとベッドから降りようと床に足をつけた時。唐突に部屋のドアが開いた。
「あ、起きてたんだね。おはよう」
入って着たのはオレンジ色のツナギを着た白熊だった。
「お…おはようございます……??」
大きな口、大きな手には鋭い爪も見える。不思議と恐ろしいという印象を受けなかったのは、人の良さそうな笑顔でにこにこと笑っているからだろうか。
それにしても、なぜ白熊……??
「あぁ、悪い。驚かせたな」
その声の主は白熊に続いて顔を出した。白熊と色違いの白いツナギを着てPENGUINと書かれた帽子をかぶっている。
「[#dn=2#]、だったよな。俺はペンギン。こっちがベポ。これでも航海士だ。よろしくな」
「よろしくおねがいします…」
「早速だけど、着替え持ってきたんだ。その服汚れちゃってるし、点滴あるからオレが着替え手伝うよ!」
「待てベポ。その前に点滴替えるぞ」
ペンギンは手際よく輸液パックを交換していく。目元が帽子の影に隠れていたが、口元から表情は読み取れた。
「悪いな。俺たちが着替え手伝うのは嫌だろうからベポに任せようと思ったんだが、ベポの手だと細かい作業が難しいから」
「いえ、お気遣いありがとうございます」
「そういえば、朝食は食べられるか?動けるようなら食堂に食べに来たらどうかと思って。食欲ないなら果物だけでもいいと思うぞ」
「あ、えっと、ではお言葉に甘えて…」
「よし、コックに伝えとくな。じゃあ俺は先に行ってるから」
そう言ってペンギンは部屋から出て行った。ベポに手伝ってもらい、着替えては見たものの……
「あちゃー、やっぱり大きいよね。これでも一番小さいの選んできたんだけど……」
「すみません…」
「[#dn=2#]が謝ることじゃないよ!それなら、逆に大きいTシャツとかの方がいいかな。キャプテンのTシャツなら丈が長いしワンピースみたいに着れるかも」
「そ、そんな、勝手にいいんですか…?!私は大丈夫ですから、そこまでご迷惑をおかけするわけには……!」
「大丈夫。キャプテンこんな事で怒らないから」
結局Tシャツはワンピースとしては十分な丈だった。[#dn=2#]は少し戸惑いながらもベポに連れられて食堂へ向かった。
食堂はクルーで賑わっていた。皆お揃いの白いツナギを着ている。それぞれ思い思いに食事をしていたが、ベポと共に入ってきた[#dn=2#]に視線が集まった。[#dn=2#]は思わずベポの背中に隠れる。
「お、元気そうだな!おはよう!」
そう声をかけてきたのは、サングラスをかけてキャスケット帽をかぶった男性。
「お、おはようございます……」
「おはよう、シャチ。[#dn=2#]は何食べる?」
「えっと、私は何でも……」
「そうだなぁ、リンゴ食べるか?起きてすぐだしガッツリ食えないだろ」
「あ、はい。では、それで……」
「うん。もらってきてやるから座ってな。」
[#dn=2#]はその日、昼も夜も食事は果物のみだった。
海賊とは言っていたけど、この船の人達はいい人達のようだ。私はこれからどうしたらいいんだろう。
考えてはみたものの頭の中は靄がかかったようにぼんやりとしていた。夜が更けていってもあまり眠れず、ベッドに座ってぼーっと月を眺めていた。