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パンクハザード

「待ってください、船長。能力者だけで行くのは危険です。ので私も行きます」
「好きにしろ」
「いや、その手のカメラ何」
「カメラです」
「それで何するわけ」
「ハートのクルーに報告書()を」
「…そ、そう…」
「え、悠ずるい。じゃあ私も行く!」
「待て待て!シャークサブマリンはそんなに乗ったら壊れちまう」
「大丈夫だよ。私と悠はこれで行くから」
2人は小狐姿になり、それぞれルフィとローの肩に乗った。
「気をつけてよ」
「おう!」
。。。
「双子の狐!素晴らしい!!まとめて俺のものにしてやろう!」
避けきれず衝撃を感じた2人。首元には緑の輪がかけられていた。
「さぁ狐達!そこの能力者どもを捕らえろ!」
終の瞳の中に一瞬緑の光が揺らいだ。終は突然飛び上がり、ブリード側へ立つ。
「終!」
「わ、わ、体が勝手にっ…!!皆避けて!」
終がルフィ達に向けて攻撃を仕掛けた。が、その攻撃は結界によって弾かれた。
「悠!?」
「何?!お前、なぜ俺の命令に従わない?!」
「修行が足りませんね、終。こんなもの、何の拘束にもなりませんよ。私に命令を下していいのは船長だけです」
「チッ…白狐!黒狐を倒せ!」
「あぁもう悠!ちゃんと耐えてよ?」
「もちろん」
2人の乱闘。しばらくするとローは少し焦りを見せる。
「まずいな。悠はそう長くもたねぇぞ……」
戦っている悠の様子も疲労が見える。一瞬の隙に終の攻撃が入る。
「ゔっ……」
「悠!!」
悠が床に倒れる。
。。。
ローVSルフィ
「お、おい止めなくていいのかよぉ!」
「大丈夫だよ。あの2人そんなにヤワじゃないでしょ」
「それにこんなレアな光景は中々見られませんからね。しっかりと目に焼き付けておかないと」
観戦しながら。
「ルフィー!頑張れー!」
「あぁ船長…かっこいい……カメラ持ってきて良かった…戦闘中もかっこいいです流石船長……」
「負けるなルフィー!」
「横顔…良い…あぁ船長目線いただきました!麦わらさんの目線もいただけましあぁぁ今の表情は史上最高です。船長アルバムが湧き水のように潤って私どうしましょう」
「終、悠が壊れた」
「ほっといていいよ」
。。。
ローとルフィは耳栓をして、戦闘は演技だった。双子は耳がいいから耳栓じゃ塞げない。少し疲労の残る悠と終がルフィとローに仕向けられる。
「双子狐!あいつらはもういらん!殺せ!」
攻撃は全てかわす。
「ル、ルフィ!ごめん、殴っていいから止めて!」
「出来ねーよ!!終!」
「これ以上体がもたないの!クラクラしてきた…」
「っ……じゃあこうだ!」
ルフィは終の体を腕でぐるぐる巻きにすると引き寄せて抱き上げた。
「ル、ルフィ……ありがとう」
「おう」
命令のせいで無理をしていた体、終はくたっと意識を手放した。

「船長!」
悠の攻撃は全て避けることはできず、ローの腕や足をかすめる。
「船長っ…!刀抜いてっ…戦ってくださいっ……!」
悠も無理に力を使いすぎているようで、体に負担が出ている。これ以上は寿命が削れることも知っていた。
「悠、来い」
ローは飛び込んできた悠を抑え込むように抱きとめる。
「船長っ…!だめ…危ない、から、離してっ…ください…」
「俺の命令だけ聞くんだろ?あんな奴のもんになるんじゃねぇよ」
耳元で囁く。
「あいつの声は聞くな。俺の声だけ聞いてればいいんだよ。お前、俺の声好きだろ?」
「せ、船長、耳やめっ…て、くださいっ…!」
悠の瞳の緑が揺らぐ。口をふさぐ。
「んぅ……今の、要りました……?」
そういう悠の瞳から緑の光が消える。
「さぁな」
「っ……すみませ……無理に力を…使いすぎたみたいで……もう私…」
悠はぐったりと意識を手放す。
。。。船に戻る。
ぐったりした双子をそれぞれ抱えている。
「ちょ、どどうしたの?!何があったの?!」
「変な奴がいたんだよ。ペトペトとかいって、ペットにした奴を従わせる能力だった。」
そう言いながらチョッパーが点滴セットを持ってきた。
「ペット?じゃああのジュゴンもか」
「俺らもペットにされちまってよ!でも何か楽しかったよな!」
ルフィが笑う横でチョッパーとローは的確に処置を済ませ、双子を休ませている。
「悠ちゃんのカメラは出番なしだったか〜」
「いや、バッチリ撮ってたぞ」
「は?」
ローは悠のカメラを取りログを見ると全てローとルフィの戦闘シーンで埋まっている。
「うわ、何これすげぇ」「あら、かっこいいじゃない。悠ちゃんセンスあるわ」「やべぇなこれ」「トラ男好きにも程がある」「過激派だな」
後ろから覗く麦わら一味。
ローはカメラを構えると、悠を撮った。
「あら、良い寝顔写真ね」
ローはフッと笑った。
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