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パンクハザード

わいわいと騒ぐ子供たちから少し離れたところに、ローとスモーカーが座っている。悠が温かい湯気の上がるお椀を持って歩いてきた。
「船長、どうぞ。スモーカーさんも」
2人とも大人しく受け取る。悠はローのそばに腰かけた。子供たちやG5の笑い声が響く。
「いいですね、賑やかで」
「あぁ」
モチャがチョッパーを肩に乗せてやってきた。
「もふもふのお兄ちゃん、皆を助けてくれてありがとう!」
「おれからも、子供たち助けるの手伝ってくれてありがとうな」
ローは帽子を深くかぶりなおす。
「お前らがどうしてもと言うから手を貸しただけだ」
悠は微笑む。
「照れてます?」
「馬鹿言え」
「ふふ、そうですか」
宴の中心から終の歌声が響いてくる。悠も合わせて口ずさむ。自然と悠の声量も増していく。2人の声が混ざり合い、しかし溶け合うことはなく絡み合いながら旋律を紡いでいく。2人の歌が終わった時には割れんばかりの拍手がおこった。
「お姉ちゃん達すごーい!!」「もっと歌って!!」
子供達からの熱烈なアンコールに終は楽しそうに答える。悠も少し照れながら、声を響かせた。
「お姉ちゃん、次はあれ歌って!」
「いいですよ」
悠は優しく微笑むが、ローがそれを制す。
「悠、ちょっと来い。悪いが歌はあっちの狐に頼め。」
名残惜しそうな子供達に悠はごめんね、と眉を下げた。ローに連れられ離れた所に戻ってくる悠。
「船長、あの……」
「ガキ共のためなのはいいが、無理はするなと言ったはずだ」
悠は肩で息をしていた。戦闘での負傷、寒さで気管が収縮し、呼吸が浅くなっていたのだ。ローは悠を膝に抱える。悠もローに寄りかかって体を預けた。
「すみません、船長」
「いい。分かってる」
ローの体温、心臓や呼吸の音、しっかりと支えてくれる腕に段々と眠くなる悠。悠の寝息が落ち着く頃には宴もたけなわとなっていた。片付けのざわつきに、悠も目を覚ます。
「……あ、私も手伝ってきます」
「ダメだ。休め」
「十分休めました。大丈夫です」
、、、
「悪口でも言ってねえと……俺たち、コイツらのこと……好きになっちまうよー!!!」


サニー号にて
「全員いらっしゃる所で改めて。ハートの海賊団、悠と申します。この度は同盟を受け入れていただき嬉しく思います。この場に私と船長しかいない事をお詫びするとともに、クルー共々よろしくお願いします」
「そんな堅くならなくても。ねぇ?」
「そうだぞ!同盟組んだんだから友達だ!」
「形だけはしておこうかと。もちろん、仲良くしてくださると嬉しいです」


出てすぐくらいに熱を出す。
「パンクハザードで菌の感染リスクは低いと思っていたけど、やっぱり最初に傷の処置が遅れたのがよくなかったかもしれない」
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