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シャボンディ諸島

街へ近づくにつれて賑わいは増していき、大勢の人が行き交う様子はさすがと言わざるを得ない。


「これは……すごいですね!!人がゴミの……ん"ん"っ……お祭り騒ぎのようです!」

「…?あぁ、そうだな。はぐれるなよ?」

「わかってます。あ!ペンさん!あれ見てください!!」

駆け出して行く[#dc=1#]。


「あ!こら![#dc=1#]!言ったそばから!」


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ショッピング中の悠にキッドが絡む。
「死の外科医んとこの女か」

「そちらは、ユースタス・キッドですか」


[#dc=1#]は内心たじろぎながらも毅然とした様子で答える。


「呑気に買い物か?」

「何か問題でも」

「いや……トラファルガーは、随分柔らけえのが好みなんだなァ?」

「…?」

「ハハハッ、おい、ちょっと付き合え。お前面白そうだ」


ぐいっと引かれる。


「私行くなんてひとことも…!」

「なんだ、酒場より宿の方がいいならそれでも構わねぇぞ」

「馬鹿なこと言わないでください!」


その声でシャチが気づく。


「おい[#dc=1#]、離れるなって言っただろ」

「シャチさん…!」


一瞬睨み合う。


「何か話あるんなら船長呼んでくるけど?」

「いや、ねぇよ」

「そ、じゃあな」


むすっとしている。


「難しい顔してどうした?腹でも痛いのか?」

「いえ……」

「ユースタス・キッドのことか?」

「……柔らかいって……ふ、太……ぽっちゃりして見えたんでしょうか……」

(あ、そういう意味で気にしてたのか)

「……いや、あれは多分……違うだろ…うん」

「じゃあなんなんですかっ!」

「いや多分、多分だぞ?俺が思ったんじゃなくてアイツが言ったことだからな?多分、あれは胸とか腿とかそういう話だろ」

「は、破廉恥です!初対面でそんなっ、不潔な…!」

「だぁぁぁ怒るなって!俺じゃねぇってば!アイツが言ったんだろ!?」

(破廉恥ってお前……今更?言ったら殴られそうだから言わねぇけど……)



一通りの買い出しを終えた一行。[#dc=1#]はまだワクワクと足取りを弾ませていた。露店を覗くと、ガラス玉の中に小さなマスコットや装飾が入った置物を見つけた。

「お!お嬢ちゃん観光かい?」

「えぇ、まぁそんなものです。これは何ですか?」

「見てな」


店主が置物を手に取りくるりとひっくり返すと、ガラス玉の中をキラキラとした光が舞った。


「わぁ……綺麗……」

「そうだろう?雪が舞ってるみてェだからスノードームってんだ。これなんかは人魚がモチーフでな、ここは魚人島の近くだから人気の物だ」

「魚人島?」

「なんだ、嬢ちゃん知らねェのか?この近くの海底にある魚人島。魚人や人魚がわんさかいるらしい。俺は行ったことはねェが、海中はさぞ綺麗だろうな」

「人魚……」

うっとりと目を緩ませる[#dc=1#]。

「買っていくかい?」

「いえ、せっかくですが……あ!」

1つのスノードームに目を止めた[#dc=1#]。

「あの!これください!」

「まいどあり!」

[#dc=1#]が嬉しそうにそれを手に取った時。
ゴンッ

「このばっかやろう!1人でうろつくなって言っただろ!」


拳を握っているペンギンが立っていた。涙目で頭を抱える[#dc=1#]。


「痛いじゃないですか」

「勝手に単独行動したお前が悪い」

「だからって殴ることないじゃないですか!」

ギャンギャンと言い合いを始める2人。

「1人じゃねぇんだな。よかった」

店主の言葉に言い合いをやめる二人。

「私が1人だと不都合があるんですか?」

「あぁ」

店主は声をひそめる。

「この島にはオークション会場があるんだが、そこは人身売買が横行しててな。嬢ちゃんみてぇな若くて見目のいい女がよく攫われる。高く売れるからな。なんでも七武海が管理してるとかで、政府も海軍も手を出さねぇらしい。気を付けなよ兄ちゃん。嬢ちゃんから目離すなよ」

「オークションか……忠告ありがとう。気をつけておくよ」

「おじ様、ありがとうございました。スノードーム、大事にしますね」


手を振っていった。
ローの元へ戻る2人。木箱に座っているロー。

「どこうろついてやがった」

「そこのお店です。船長、この島はオークション会場があるそうです。どうしますか」

「あぁ、面白そうじゃねぇか。他の奴らの顔も拝めるかもしれねぇ。」

ドレークが現れる。

「ドレーク屋、お前、何人殺した」
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