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1話

「この船に乗る以上、医学は学んでもらう。お前は自己流の知識はあるようだが、分からないところはシャチに聞け」


ドサっと山積みの本。一瞬唾を飲んだ。が、読書はお手の物。気合いを入れた。


「っ……わかりました。よしっ…」


本を開く。シャチに質問。


「シャチさん、すみません今いいですか?」

「ん?」

「ここなんですが…」

「え?!俺に聞くの?!」

「船長に、分からないところはシャチさんに聞けって言われたので」

「あぁ、そういうこと…」


それから熱心に勉強する姿が見られる。


「シャチさん。昨日の課題、見てもらえますか」

「おう、早いな。んー……よし!完璧だ!」


シャチは[#dn=2#]の頭を撫でる。[#dn=2#]は少し驚いたが、嬉しそうに微笑んだ。ある日


「悪い、今日俺手空いてないからペンギンに聞
いてくれ」

「わかりました」


ペンギンのところへ。


「ペンさん、今いいですか?」

「あぁ、シャチから聞いてるぞ。課題出してるんだってな。何様だ?アイツは」


ペンギンは冗談めかして笑う。


「船長ご指名の教育係様ですよ。見ていただけますか?教育係代理様」


[#dn=2#]も同じノリで返す。ペンギンはおかしそうに笑うと[#dn=2#]の課題を受け取った


「ん。………うん。よし。上出来だ」


[#dn=2#]は嬉しそうに微笑むが、そのままペンギンのそばから離れようとしない。


「どうした?まだ何かあったか?」


ペンギンがそう尋ねると、[#dn=2#]はハッと顔を赤くした。


「あ、え、えと…なんでもありませんっ!失礼
しました!」


逃げるように去っていく[#dn=2#]にペンギンは首をかしげるしかなかった。


「悪りぃ、[#dn=2#]の見てくれたか?」

「おう。[#dn=2#]は飲み込みが早いな」

「俺の教え方がいいからな」

「それはねぇな。……ところで、[#dn=2#]の課題、他にもあるのか?」

「ん?ひとつだけだけど?」

「いや、課題見た後、まだ何か言いたそうにしてたから…」

「……?」


次の時。


「シャチさん、課題お願いします」

「おう。………よしよし、頑張ったな!」


シャチはいつものように[#dn=2#]の頭を撫でる。嬉しそうな[#dn=2#]の顔を見てペンギンがきづいた。


「シャチ、お前いつも頭撫でてんのか?」

「ん?おう。……あ、もしかして[#dn=2#]、ペンギンに撫でてもらえなくて凹んでたのか?」


シャチがニヤニヤと笑う。[#dn=2#]は顔を真っ赤にした。


「ち、違っ…そ、そんなわけないじゃないですかっ!」

「へぇ?」


ペンギンもニヤニヤと笑い、[#dn=2#]の頭を撫でた。


「そうかぁ。悪かったな、気づかなくて。ほら、この間の分だ。これで勘弁してくれるか?」

「う、あ、えと…うぅ…」


悠は恥ずかしさと嬉しさが入り混じり、軽くパニックになっている。
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