第2話 卒業試験
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みんなが真新しい額当てを家族と喜んでいるなか、ナルトは独りブランコに揺れていた。私はなんと声をかけていいのか分からずに影から見守る。
「…見てあの子。卒業試験に落ちたらしいわ」
横にいる家族の一人の大人がヒソヒソと話し始める。
「当然よ。あんな子が忍なんて」
「ホント、火影様も何を考えているんだか……」
手を固く握りしめ、唇を強く噛む。口に広がる鉄の味が気にならないほどハラワタが煮えくり返っている。
「早くいなくなっちゃえばいいのに……」
その言葉で我慢することが出来なくなった。
「黙れ‼ナルトのこと何も知らない癖に‼」
この人達は知っているのか!ナルトがどれだけ頑張っているか!どれだけ寂しい思いを抱えているのか‼
私の剣幕に圧されたのか、その人達は忌々しげに私を見つめ、そそくさと帰っていった。
今の言葉をナルトが聞いてないか心配で後ろを振り返るも、ただブランコが淋しく揺れているだけ。ナルトの姿はどこにも見えない。
「ナルトー……?」
返事はなく、私の声が静かに響く。ナルトの家をノックしても無駄で、試しにお邪魔するもそこにナルトは居なかった。
「どこ行っちゃったんだろ……」
夜もふけ、これ以上は無駄だと思い家に帰る。ナルトのあのブランコにまたがる姿が頭から離れない。
「大丈夫……。ナルト、明日になったらきっとまた会える」
そう言い聞かせ、胸に突っかかりのあるまま中々眠れない夜を過ごした。