第34話 第一試験の合否…そして第二試験へ
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「フッ……いい覚悟だ。では、ここにいる全員に……」
手を強く握りしめる。ここにいる全員が、イビキさんの言葉に聞き逃さまいと集中する。
「…“第一試験”の合格を申し渡す‼」
「……はぁ⁉」
「ど、どういうことですか⁉第十問目は……!」
「そんなものは初めからないよ。言ってみれば、さっきの二択が“第十問”だな!」
少し前までの厳つさは何だったんだと思うほど朗らかに笑うイビキさんは、この試験の真の目的を話してくれる。第九問までは個人の情報収集能力を試すという目的。そして第十問は……
「言うまでもなく苦痛を強いられる二択だ。“受けない”を選べば班員共々失格。“受ける”を選び不正解なら中忍試験資格永久剥奪。…仮にこんな二択ならどうする?君達が中忍だったとしよう。任務内容は秘密文書の奪取。敵の情報は一切ない。さらに待ち伏せや罠があるかもしれない。…さあ、“受ける”か“受けない”か……?命が惜しいから、仲間が危険にさらされるから、危険な任務を避けて通れるのか?」
イビキさんはまた顔を引き締め、真っ直ぐ私達の顔を見る。
「答えはノーだ!どんなに危険があってもおりることのできない任務がある。ここ一番で仲間に勇気を示し、苦境を突破していく能力……それが中忍という部隊長に求められる資質だ!いざという時、自分の運命を賭けられない者。来年などと不確定な未来にチャンスを諦める者……。そんな弱い決意の奴に中忍になる資格はない!“受ける”を選んだ君達は、この難解な第十問の正解者だ。これから出会う困難にも立ち向かえる。…君達の健闘を祈る」
「おっしゃーー‼祈っててーー‼」
調子のいい声で騒ぐナルトに少し苦笑いする。ナルトは凄い奴だし、勇気を与えてくれるけど、やっぱりちょっと馬鹿っぽいんだよなぁ。そこが可愛んだけどね。
少し穏やかな空気が流れる中、突如ガラスの割れる音が響く。黒い布にくるまって現れた一人の女性。
「アンタ達!喜んでいる場合じゃないわよ‼私は第二試験官!みたらしアンコ‼次行くわよ!ついてらっしゃい‼」
ド派手に入場して来た人に、みんなどう反応すればいいのか分からず、盛大にスベっている。……っていうか、あれ……あの人って……。
「ア…アンコさん……?」
「あら、カカシんとこの彩音じゃない!アンタも残ったの!」
カカシ先生に連れられて入った上忍待機室で会った人だ。この騒がしさや空回り感、ちょっとナルトに似てるかも……。
「フフ……顔見知りだからって容赦しないわ!
今回は残った人数も多いし、次で半分以下にしてやるわよ!あーゾクゾクする!詳しい説明は場所を移してやるからついてらっしゃい‼」
思わずこちらが引きつってしまうようなあくどい笑顔に、若干認識を改める。ナルトとは似ても似つかない!
嫌な予感を抱えたまま、私達はアンタさんの後についていった。