第1話 始まり
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ひと仕事終え、意気揚々と一楽の暖簾をくぐる。
「へい!らっしゃい!おや、イルカ先生達じゃないっすか!お前ら二人共見てたぞー。中々芸術的な落書きだったじゃねーか!」
「やっぱりテウチさんもそう思う⁉ほらイルカ先生!あっちの方がよかったって!」
「いい訳あるか馬鹿者!すみません、テウチさん。味噌三つで」
「オレ大盛りチャーシュー!」
「私バターコーン!」
「あいよ!座って待っててくれよな!」
吹きさらしのカウンターに腰を掛け、ラーメンを今か今かと待つ。もう随分前からお腹の合唱が鳴り止まない。
「はぁ…疲れたってばよ……」
「空腹で死ぬ……」
「お前らなァ……。明日は大事な卒業試験なんだぞ。シャキッとしろシャキッと」
ナルトはもう二回も落ちている。かく言う私も欠席で不合格。運悪く風邪をひき、次が最初で最後のチャンスなのだ。
「まぁまぁ、腹が減っては何とやら。へいお待ち!味噌三つ!」
器に並々と入れられたスープから焦がし味噌のにおいがたちこめ、私達の腹が今までの比でないくらい大きな音をたてる。
「「いただきます‼」」
熱々の麺をすすり、ハフハフと口いっぱいに頬張る。口に広がるバターのまろやかさがしょっぱいスープによくあう。
イルカ先生とテウチさんは苦笑しながらも温かい目に見守られ腹を満たしていく私達だが、一歩暖簾の外に出れば広がる冷たい眼差し。他でもないナルトに向けられるその目が昔から不思議だった。余所者の私でなくナルト。今はやっていることも同じなのにナルトにだけ向けられる。一体何故?
「お前ら、明日はいたずらや遅刻すんなよ!」
「「はーい」」