第26話 自覚
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「今日の任務は終了、みんなお疲れ様」
「「「はーい」」」
あの波の任務から幾日。特に何も起こらず平穏な日々を過ごしている。今日も平凡な任務を任され、子供達は少し不満気ながらも元気よくこなした。
「オレは火影様に報告書出しに行くけど、お前らはどうする?」
「修行に行く」
「サスケ君、私も一緒に……」
「彩音ー!オレとデートしようってばよ‼」
「ごめん!私も火影棟行くからまた今度ね!」
「えーーー‼」
彩音がナルトの誘いを断るなんて珍しい。ナルトの駄々にも負けず、キッパリと断る彩音。ナルトも彩音が折れないと分かると渋々諦めた。少し涙目になってたけど……。
他三人と別れ、火影棟を目指す。彩音は特に騒ぐわけでもなく後ろを付いてきた。
「…で、お前は火影棟へ何の用があるの」
何気なくそんなことを口に出す。くだらないことだろうと思ったからだ。いつもみたいに歯を剥き出して笑いながら元気よく答えると。しかし、オレの予想は裏切られ、彩音は静かに口を開く。
「…カカシ先生に聞きたいことがあるんです」
真剣な顔で真っ直ぐオレを見つめる。オレは少したじろいだ。まさか、何か思い出したのか……?表には出さないが、内心かなり焦る。できれば知るのは、もう少し大きくなってからでいてほしい。
何を聞かれても動揺しないよう構えると、彩音は決意したように声を出す。
「カカシ先生にもっと凄いいたずら仕掛けたいのにカカシ先生のこと何も知らないんです‼っていうか最近いたずらもマンネリ化してるし……!」
ズッコケた。勢いよくズッコケた。こっちの心構えはしてなかった。いや、むしろ予想通りの答えだったよ!
「ってな訳で、カカシ先生!ちょっと任務がない時の過ごし方教えてください!ついでにマスクの下も見せてください!」
「…お前、そう言われて『ハイどうぞ』ってオレが見せると思うのか」
「いえ全く」
キッパリ断言する彩音にオレはよく分からないが疲れた。心情的には波の国より疲れた。
「まあ見せなくても付いて行くぐらいいいじゃないですか。ぶっちゃけ、上忍待機室とかちょっと見てみたいってのが本音ですし」
それが本音かァ……。そういえば波の任務前に上忍待機室について言ったら興味持ってたなァ……。
「それならナルトも連れてきてもよかったんじゃないの……?」
「…できればナルトに仕掛けたいっていうのもあります……」
一人であっと驚くようなものをナルトにも仕掛けたいがために……。オレは、彩音はまあ常識人って評価を改めた方がいいのかもしれない……。
「…ホントに何もないよ……?」
「とりあえず見てみたいです!」
あぁ…なんか犬耳としっぽが見えてきた……。めっちゃブンブン振ってる……。
「はぁ……。あのね、オレがこの後も任務あったらどうすんの」
「ハッ!」
彩音は、今気付きました、みたいな顔を浮かべ、そしてしゅん…と落ち込み始めた。
「もしかしてお邪魔ですか……?」
今度は耳としっぽがへたって見え始めた。そんな目で見つめるな!オレは犬が大好きなんだよ!
結局オレは駄目と言えず、許可を出してしまった。