第24話 橋の完成
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どれくらいそうしていただろうか。サクラの泣き声しか響かないはずのこの場所に、一つの声が空気を震わせた。
「サクラ、彩音、重いぞ……」
まるでサスケみたいな声にサスケみたいな物言いに、あぁ、幻聴まで聞こえ始めたのかと思っていると、サクラの泣き声がついに絶叫になり始めた。でも、その声は何故か嬉しそう。不思議に思って顔を上げると、サクラに抱き締められているサスケの姿。顔に心底訳が分かりませんという表情を浮かべ、こちらを見つめていた。
「サスケくーん!サスケ君サスケ君‼わぁぁぁぁぁ!!!」
「サ…スケ……?生きてる…の……?」
「そうみたいだな……っていうか、イテェよ、サクラ」
あまりの急展開に思考が一時停止する。たっぷり30秒。ようやくサスケが生きていると理解した私は、サクラと共にサスケに抱きついた。
「うわぁーーーん‼サスケのバカヤローーーーーー‼バーカ!バーカ‼」
「バカってお前……。助けてやったのに……」
「知るか‼どんだけ悲しんだと思って……‼……でも、よかった……‼」
流石に思うところがあったのか、文句を言いながらもサスケは私とサクラのされるがままになっていた。
「とにかく!ナルト達にサスケ君が生きてたって伝えなきゃ‼ナルトォー!サスケ君無事よ!生きてるわ‼」
手を振りサクラが伝えると、ナルトの顔が歪む。泣きそうな、それでいて嬉しそうな……。
「オイオイ!安心し過ぎだろ!」
みんなでサスケの無事を喜んでいると、下品な笑い声が響き渡る。
「せっかくの金づるを殺してくれちゃって!」
「こうなったら町を襲って金目のもの全部頂いていくしかねェな!」
「ギャハハハ!そうだな‼」
いつの間にか側に来ていた下品な奴ら。もう先の戦闘で消耗の激しい私達に、忍びでないとはいえ何十人もの大の男を相手する余裕なんてない。
「行くぜェ‼」
しかし輩が走り出した瞬間、その足元に一本の矢が突き刺さる。
「それ以上島に近付く輩は…島全町民の全勢力をもって!生かしちゃおけねェ‼」
背後には駆けつけた、武器を携えた何百という町民達。輩の顔に少し焦りが見え始める。
そしてカカシ先生が、ハッタリだろうが何十人という影分身をすることによって追い払うことに成功した。
「っはー……。よかったー……」
また戦うことにならなくて胸を撫で下ろす。
「ナルト!白と再不斬は……」
さっきまで気が付かなかったが、奥に倒れている大柄な男と小柄な子供。それがなんなのかを悟る。
「…再不斬の奴、白が死んじまった時、泣いてたってばよ……」
「…そ、か……。再不斬も、白のことを……」
カカシ先生が再不斬を白の亡骸の隣に横たわす。季節外れの雪が降り始め、まるで白が泣いているようだった。