第17話 修行開始‼
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松葉杖をつくカカシ先生に連れて来られたのは、タズナさん宅から少し歩いた森の中。
「では、これから修行を始める‼」
「「押忍!」」
「…その前に、忍としての能力、チャクラについて話そう」
いまさらチャクラについて?そんなの分からない人なんて……
「あのさ!あのさ!…チャクラってなんだっけ?聞いたことあるよーな……」
…ここにいた……。
「ナルト!アンタ、よくそれで忍者やってるわね!学校で何習ってたのォ⁉」
「へへ……。オレってば、難しい授業は寝てばっかだったからなァ……」
「…私、試験勉強させた時何度も言った記憶あるんだけど……」
「……そだっけ……?」
がっくり。私が必死に教えたことのほとんどは無駄だったのか……。
「…サクラ君、お願い」
「はい先生!ナルト!よ〜く聞きなさい!」
急遽行われるナルトのためのチャクラ講座。やっぱりサクラは主席なだけあって説明が分かりやすい。
「ん〜…難しい話はよく分かんないけどさ、そんなの体で覚えるもんだろー!」
「…ナルト、この任務終わったらお勉強会開くから」
「彩音⁉なんでだってばよ⁉」
まさかあのサクラの分かりやすい説明でも分からないとは思わなかった。これは本格的に教えなきゃヤバい。とりあえず基礎だけは教えよう。私も勉強得意な訳ではないからちょっと不安だけど……。
「しかし、ナルトの言う通りだ。現にオレ達は術を使えている」
「いーや!お前らはまだチャクラを使いこなせていない‼」
「…どういうことですか……?」
「いいか?チャクラを練り上げるとは、身体エネルギーと精神エネルギーを取り出し混ぜ合わせることを言う。それは当然発動したい条件によってそれぞれのエネルギー量、つまり調合が変わるんだ。お前らはその調合が上手く出来ていない。いくらチャクラが多くても配合を間違えれば術の威力は半減、下手すると発動すらしない」
なるほど。確かによくナルトは術を失敗していたが、そういう理由があったのか。
「そのコントロールを体で覚えてもらう。命を張って体得しなきゃならないツラーい修行!」
そんな大変な修行だなんて……。
四人は冷汗をかく。修行内容がそんなに難しいとは思ってなかったのだ。
「な、何をやるの…?」
「ん?…それは……」
ゴクリ……
生唾を飲み込み、修行内容に耳を傾ける。
「…木登りだ‼」
一瞬思考が停止する。息を吸って……。みんなで、さんはい。
「「「木登りーー!⁉」」」
「もちろんただの木登りじゃない。手を使わずに、だ」
怪訝な顔を向ければ、カカシ先生は印を組んでチャクラを練る。そして…そのまま木を垂直に登り始めた。
「「「「!!!!」」」」
まるで普通の地面を歩くように松葉杖でスイスイ登っていくカカシ先生。やがて地上高くにある枝に逆さまになって立ち止まる。
「…とまあこんなもんだ。この修行は練り上げたチャクラを必要な分、必要な箇所に送る“調節”と、そのチャクラを維持し続ける“持久力”を鍛えるものだ。…まあ、オレがごちゃごちゃ言ったところでどーこーなる訳じゃないし……」
木に逆さまに立ったまま、カカシ先生は右手で私達の足元にクナイを投げる。
「体で覚えてもらうしかない。今自分の力で登りきれる高さのところに目印で傷をうて。初めは走って勢いにのれ!いいな‼」
クナイを拾い、チャクラを練る。足元に集まった!
「よっしゃーーー‼行くぞーーー‼」
ナルトの掛け声と共に木を駆け上る。途中まではよかったが、急にチャクラが足元から消え、傷をつけて地面におり立つ。
傷は木の三分の二らへんについていた。
「っあーーー‼難しいーーー‼」
これは結構難しい。チャクラを持続させるのがここまで難しいとは……。
「案外簡単ね!」
声の主はサクラ。木の枝に腰掛け舌を出して笑っていた。その高さは私の遥か上をいっている。
「どうやら、今一番チャクラコントロールが上手いのは女の子のサクラみたいだな…」
周りを見ると、半分弱程度のサスケと傷すらついてないナルト。
「いやー、知識量もさることながら…火影に一番近いのはサクラかなァ…誰かさんと違ってね。うちは一族ってのも案外大したことないのね。もう一人も歌とスピードだけかな?」
「ちょっと!余計なこと言わないでよ先生!サスケ君に嫌われちゃうじゃない‼」
ブチリ
先生はわざと煽っているんだろうけど、それでもムカつくものはムカつく。絶対登りきって目にもの見せてやる……‼
分かりやすく闘争心の煽られた私達は、我先にと再び木に向かって走り出した。