第15話 彼女の異変
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ーーー戦闘後…ーーー
あー……これは久々にきたわ……。全く動けない……。
「カカシ先生!どうしたんですか‼死んじゃヤダ!!!」
教え子に駆け寄られ、大丈夫と伝えたいが口が動かない。どうしようかとモタモタしていると、急に静かになる。どうしたのかと視線だけで見てみると、座り込んだ彩音が死んだ目でこちらをただ見つめていた。まるで八年前のように……。
「おい彩音!どうしたんだってばよ‼」
「彩音!聞こえてる⁉彩音‼」
「おい、カカシ!彩音はどうしたんだ‼」
「嬢ちゃん!大丈夫か⁉」
常にない彩音の様子に、あのサスケすら焦りを浮かべて問いかける。
「…すま、ないが……手を、貸し…てくれ……。彩音を、どうにかする……」
なんとか声をふり絞り、タズナさんとサスケの力を借りて上体を起こす。そしてそのまま彩音の目線に合わせた。
「彩音?オレは大丈夫、生きてる。まだ死んでいなーいよ?」
顔をこちらに向けさせそう言うと、徐々に視線が合い始め、目に生気が戻る。
「…カ、カシ…先生……?」
「うん、お前らの担当上忍、はたけカカシだ」
オレが生きていると分かった瞬間、彩音は顔に花がほころぶような笑顔を、瞳には涙を浮かべて抱きついていた。それにオレは、雷に打たれたような衝撃がはしる。オレのために流してくれた涙や笑顔……それら全てが愛おしく、掻き乱された。
…やっと見つけた……オレの…“ーー”……
「…先生……?」
「っ!あぁ…すまん、もう大丈夫だ」
サクラの声で我に帰る。オレは今、何を考えていた……?
彩音は泣き疲れたのかそのまま胸のなかで眠ってしまっていた。
「カカシ先生‼彩音は⁉彩音はどうしたんだってばよ‼なんであんな風に……‼」
ナルトの問いかけに他の教え子二人も真剣な眼差しを向けるが、それはオレが伝えることではない。
「…ちょっと疲れてただけだろう。大丈夫、目覚めた頃にはもとに戻っているさ」
多少強引に話を打ち切る。そのことに不満気な顔を見せるも、それ以上三人が何かを聞くことはなかった。
幸いにも彩音はすぐ目を覚まし、オレ達はタズナさん宅を目指すことが出来た。
オレは、今まで感じたことのない感情に戸惑いはしたが、それを表に出すほど未熟ではなかった。