第14話 忍としての失態
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月明かりが照らす真夜中。隣のサクラが熟睡するなか、私は一人窓辺で海を眺めていた。目を閉じるとどうしてもカカシ先生の崩れ落ちる光景が再生され、飛び起きてしまう。起きていても思考が悪い方に沈んでいき、いてもたってもいられなくなった私は、こっそりカカシ先生の寝床に忍び込む。
「どーしたのよ、彩音。眠れないのか?」
チャクラ切れで寝込んでいても流石上忍。あっさりと侵入がバレた私は無言でカカシ先生の隣に座る。
「…目を閉じると、あの光景が広がって……」
「はぁ……。オレはもう大丈夫なんだけどね……」
頭では分かっているのだが感情が追いつかない。このぐちゃぐちゃとした気持ち悪いものをどうすればいいのか分からず、気がついたらカカシ先生に抱きついていた。
「ちょっ……彩音⁉」
「すみません!先生!…でも、もう少しだけ……」
耳をすませれば聞こえてくる力強い心音。その音に体の力が抜けていく。カカシ先生もなんとなく察したらしく、最初は驚いていたが後は何も言わずに頭を撫でてくれた。
「お疲れ、彩音。今日はありがとう。彩音が水分身を引きつけてくれたおかげでナルト達は本体に集中出来た。オレは術から抜け出すことができた」
今日一日の出来事がまるで走馬灯のようにかけ巡る。今思うと、いつ死んでもおかしくない場面がたくさんあった。そんな恐怖に、腕に込める力を強める。
「もう大丈夫……安心して寝な?」
カカシ先生の腕の中、優しげな声に目蓋が重くなる。
あれ……?こんなこと…前にもあったような……。
それを確かめるすべも無く、私は深い眠りに落ちた。