第12話 新たな刺客
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「うわぁ…凄い霧……。何にも見えない……」
あれから特に襲われることもなく、無事波の国の国境に辿り着く。舟の周りには濃い霧が立ち込め、伸ばした手が霞む。
「うっひょー!でっけーー‼」
「コラ!静かにしてくれ!この霧に隠れて舟出してんだ。エンジンも切って手漕ぎでな……。ガトーに見つかったら大変なことになる」
急に目の前に現れたのは巨大な作りかけの橋。その大きさに思わずナルトは叫び声をあげ、注意される。でも驚いた……。こんな大きな橋だったなんて……。
街水道を通り、ついに上陸すると舟はさっさときびを返しいなくなってしまった。
「よーしィ!ワシを家まで無事送り届けてくれよ!」
「全く…調子いいんですから…」
ここからは気を付けないと、絶対また誰かしら忍が送り込まれるだろうし。
色々心配ごとがあるなか、一番心配なナルトの落ち着きが全くない。辺りをキョロキョロとうろつく。
「…ナルト、ちょっと落ち……」
「そこかぁーーーー‼」
「「「「「‼」」」」」
ナルトはいきなりクナイを茂みに投げつける。しかし、いくら経っても何も起こらず……。
「フ…なんだ、ネズミか……」
「って、何カッコつけてんのよ‼そんなとこ初めから何もいやしないわよ‼」
「コ…コラ!頼むから、お前がやたらめったら手裏剣使うな……。マジで危ない‼」
カッコつけるナルトに本当に心臓が止まるかと思った……。カカシ先生もこれには苦虫を噛み潰したような顔になる。
しかしナルトの奇行は止まらない。
「そこかぁーーー!!!」
「だからやめろーー‼」
「これはナルトが悪い‼サクラ!やっちゃえ‼」
サクラのキツ〜いゲンコツをもらうナルトをおいて、投げられた手裏剣の元へ向かったカカシ先生の後を追う。
「カカシ先生ー、何かありまし……あ」
そこで発見したのは、手裏剣に驚いて泡を吹いていた“真っ白”なうさぎ。
「あーーー‼うさぎじゃない‼ナルト!あんたなんてことすんの‼」
「そ…そんなつもりは……。ごめんよ!うさこう……!」
…誰も疑問に思ってないが、白いうさぎはユキウサギ。つまり冬しかあり得ない。木の葉の森のうさぎも春には茶色くなっている。
「…カカシ先生、あれはユキウサギですよね……?」
「彩音は気付いたか………っ‼全員‼伏せろ‼」
カカシ先生の怒号と共に押し倒されると、真上を物凄いスピードで通り過ぎる何か。それは木に突き刺さり停止する。おそるおそる顔をあげると、刃渡りが背丈ほどある巨大な刀。柄には目つきの悪い男がこちらを見下ろし、睨みつけていた。