第11話 最悪の依頼人
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「……ぇ、………か、…て……ねぇ!しっかりして‼彩音‼」
「………っ‼」
必死に呼びかける声で我にかえる。目の前には心配そうなサクラ。手にはしっかり握られたクナイ。
「サ…クラ……?」
「よかった……!さっきから呼びかけても全然反応しないから心配したのよ‼」
瞳にうっすら涙を浮かべるサクラに戸惑っていると、視界の端に銀色が映る。それに肉塊と化したカカシ先生を思い出し思わず首をそちらに向けると、見えたのはカカシ先生を殺した二人を拘束するカカシ先生。
「あ、れ…先生、生きて……」
「変わり身の術よ!死んでなんかないわ‼」
「そ…か……。よかった……!」
途端、体の力が抜けて座り込んでしまった。震える手からクナイが落ちる。
「もう、さっきはタズナさんを守る為に一緒に動いてたのに……!彩音は大胆なのか臆病なのか……」
サクラの言葉に首を傾げる。そんなこと、全く覚えてない。いつから記憶がなくて、いつからクナイを握っていたのか……。
「タズナさん、お話があります」
真剣な声のカカシ先生の元へ集まる。この忍達はタズナさんを狙っていた。依頼内容はギャングや盗賊など、ただの武装集団からの護衛の筈なのに。それを確かめなくてはならない。
「私達は貴方が忍に狙われているとは聞いてない。そうなると高額なBランク。これは任務外です。依頼で嘘をつかれるのは困るんですよ」
「こ、この任務は私達にはまだ早いわ……。やめましょ!ナルトの毒も抜かなきゃならないし……」
そっとナルトを見てみると、手の甲が血にまみれている。どうやらさっきの忍達にやられたようだ。
カカシ先生もナルトを見つめ、頷く。
「…うん、こりゃ荷が重いな。ナルトの治療ついでに里へ戻るか」
私自身、確かに荷が重いと感じていたので少しホッとする。とりあえず毒が回らないようナルトの腕を縛ろうと近づくと、丁度ナルトが勢いよくクナイを手の甲に突き刺した。
「ナ、ナルト⁉」
手の甲からは、先程の比じゃない血の量が滝のように溢れ出す。カカシ先生もこれには驚きに目を見開いている。
「…オレがこのクナイで、オッサンは守る。任務続行だ!!!」
クナイを突き刺したまま宣言するナルト。その顔付きは今までと違い、少したくましく見えた。