第8話 合否判定
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はたけカカシと共に最初の広場へ向かう。そこにはすでに二人が丸太の周りに集まっていた。私とナルトは無言でそのそばに座る。
ぎゅるるるる
そこで一斉にみんなの腹の虫が鳴った。
「おーおー、腹の虫が鳴っとるね、君達。…ところで、この演習についてだが……ナルトは忍者学校からやり直した方がいいかもな」
「な、なんでですか⁉」
「オレってば、また忍者学校からやり直し⁉」
「後半はよかったが、前半の一人で飛び出すのはいただけないなァ」
がっくりとナルトは肩を落とす。やはり前半の独りよがりが駄目だったみたいだ。
ズーンと落ち込むナルトを慰めているとはたけカカシは言葉を続ける。
「残り三人は忍者学校に戻る必要はない」
その言葉にサクラは目を見開き、サスケは当然だというように鼻を鳴らす。
私も嬉しいは嬉しいのだが、ナルトと一緒じゃないのが少し寂しい。
しかし、はたけの言葉はそれだけでは終わらなかった。
「…というより、サクラ、サスケ。お前ら二人は」
二人を名指したはたけカカシはゆっくり息を吸い、厳しい目付きに変わる。
「ーーー忍を辞めろ」
一瞬、言われた意味が理解出来なかった。
「………‼」
「忍を辞めろって…!どういうことですか⁉」
「っていうか私は⁉」
何故二人だけ忍を辞めなくてはいけないのか、私は何故言われなかったのか……。その意味が全く分からない。
「そのままの意味だ。彩音は忍者としての素質がある。ナルトもまぁ、もう少し忍としての心得や基本ができるようになればな。………が、お前ら二人は忍になる資格がねぇガキだって言ったんだよ」
その瞬間サスケがはたけカカシに向かって走る。しかし……
「…だからガキだってんだ」
はたけカカシに地面に押し付けられ、拘束されてしまった。
「サスケ君を踏むなんて駄目ーーー!!!」
「お前ら忍者なめてんのか、あ⁉何の為に班ごとのチームに分けて演習やってると思ってる!お前らはこの試験の答えをまるで理解していない……」
はたけカカシの本気の睨みに私達は怯む。
この試験の答え……。前半のナルトが駄目で後半、私達がよかった……?
そこで私はあの時のはたけカカシの言葉を思い出した。
『アハハ、お疲れサン!いやー、中々いい【チームワーク】だったじゃない』
「あっ……‼」
あの人が褒めたのはあの時……!
「…彩音は分かったみたいだな」
「え!何なの⁉」
「…言え、彩音」
「…チームワーク……」
その答えにはたけカカシは満足気に頷く。
「そう、オレが本当に見たかったのはチームワークだ」
「…ちょっと待って!鈴が一つしかないのにチームワークって……!」
「当たり前だ。これは仲間割れをするよう仕組んだ試験。自分の利害関係なく、チームワークを優先できる者を選抜するのが目的だった。彩音は始めからそれができた。ナルトもまぁ、最初のは考えものだが後半彩音と共にしっかり作戦をたてて実行できた。………だが」
そこではたけカカシは一度言葉をきり、二人を睨みつける。
「サクラ!お前は目の前にいる二人と協力するどころか、彩音の誘いを断り居場所も分からないサスケのことばかり!サスケは他を足手まといと決めつけ個人プレー‼卓越した技術も確かに必要だ。…だが、任務は班で行う。何より重要なのはチームワークだ‼」
何故かその叫ぶ姿からは、強い後悔の色が滲み出ていた。