第6話 難関演習
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やっとのことで第三演習場に入ると、はたけカカシは何やら時計らしきものを取り出す。
「よし!十二時セットOK!」
「「「「?」」」」
時計をセットし終えたはたけは腰から一つの鈴を取り出し、私達と向き合った。
「ここに鈴が一つある。これを昼までに奪い取ることが課題だ。昼までに鈴を奪い取れなかった奴は昼飯抜き!丸太に縛り付け、オレが目の前で弁当を食うから」
その時、四人の腹の虫が虚しく響く。朝早起きし、朝食を抜いてきた私達にとって、それは死刑宣告に近い。
意図が分かった私達はジト目になるが、やはりはたけカカシは素知らぬ顔で言葉を続ける。
「鈴は一つしかないから、必然的に三人は丸太行き。…で、鈴を取れない奴は任務失敗ってことで失格だ!つまり、この中で一人だけしか忍者になれないって訳だ」
思っていた通りシビアな条件である。たった一人の枠をこの四人で争わなくてはいけないのだから。
「手裏剣使っていいぞ。オレを殺す気で来ないと取れないからな」
「でも‼危ないわよ先生‼」
「そうですよ!殺す気って……!」
「そうそう!イタズラどころか黒板消しも避けられねー程鈍くせーのにィ‼」
「そう強がるなよ。世間じゃ実力のない奴に限って吠えたがる。ま…ドベはほっといて、よーいスタートの合図で……」
ドベの言葉がカチンときたのか、ナルトはクナイを取り出してはたけカカシに投げようと構える。しかし……
「そう慌てんなよ。まだスタートって言ってないだろ?」
まばたきした瞬間には、ナルトはクナイと頭を押さえられ、そのクナイを頭に向けられている。全く見えなかったスピードに、はたけ上忍の強さを悟る。
「でも、ま……。オレを殺るつもりで来る気になったようだな……。やっとオレを認めてくれたかな?」
本当に殺す気でいかないと、鈴を取るどころか相手にされるかどうかすら怪しい。私は気を引き締め、覚悟を決める。
「ククク…なんだか、やっとお前らを、好きになれそうだ」
スタートの合図を聞き逃さないよう集中し、心臓の音を落ち着かせる。手に滲む汗がじっとりとしていて少し気持ち悪い。
「…じゃ、始めるぞ!よーい……スタート!!!」
その言葉と共に地面を蹴り、私は木の影へ身を隠した。