第25話 秘密の会議
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コンコン
「入れ」
「失礼します」
火影室の戸を叩いたのは、第七班担当上忍、はたけカカシ。その顔付きにいつものだらけた雰囲気は微塵もなく、鋭く引き締まっている。迎える三代目も、優しいおじいちゃんでなく、里の長としての顔である。
「報告とはなんじゃ」
「乱舞彩音についてです」
乱舞彩音…出身は里外だが、六つになる前に里へ移り住む。しかし、その詳細を知る者は今や三人しかいない。
「三代目は覚えておいでですか、あの村の言い伝えを」
「もちろんじゃ。散々報告であの村の絵本について話されたからな」
「“薄き藤の髪、桜の如き瞳をもつ麗しき乙女、巫女なり”
“千年に一度現れる大自然の巫女”
“生けるもの全てと対話し、従える”
“それは尾の多き獣をも操る”…と。
今まで半信半疑でしたが、おそらく、大自然の巫女は尾獣を操れます」
三代目は片眉を上げ、目を細める。
「…波の国で何があった」
「再不斬との交戦中、ナルトの九尾のチャクラが漏れ出しました。実際見た訳ではないのですが、およそこの世のものとは思えない“音”が聞こえると同時に、九尾のチャクラが一層強まりました」
「この世のものとは思えない“音”……?」
「はい。耳で聞いた訳ではないのに、ハッキリと“音”がしたのが分かるんです。その“音”に呼応してナルトは動いていたようです。“音”から殺気が放たれればチャクラも禍々しさを増し、“音”から殺気が消えれば九尾のチャクラは霧散してナルトも我に帰ったようです」
「そうか……」
三代目の顔が自然と強張る。それもそのはず、彩音がその気になれば九尾を操れると証明してしまったのだ。
「のォ、彩音は自分が尾獣を操れると気付いておるのか?」
「いえ、その時の記憶は曖昧らしく、ほとんど覚えてないそうです」
「ふむ……」
三代目の顔はどんどん険しくなる。自分の決定が彩音の人生を、運命を変えてしまう。慎重にならざる得ない。
ふと三代目は外で聞き覚えのある笑い声が響くのに気付く。声の主は彩音。ナルトと共に走り回っていた。
「フッ……なあ、カカシ。お前から見て、彩音は九尾を操ろうなどと考えるような奴か?」
「いえ、そんなことは全くありません」
「だろうな……。ワシは彩音とナルトを信じておる。そしてカカシ、お前のことも信じとる。これからも第七班をよろしく頼むぞ」
「はい!」
二人だけの秘密の会議は幕を閉じる。また明日からいつもの日常が…第七班の任務が始まる。