第11話 最悪の依頼人
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あうんの門から歩くこと一刻、もう里は全く見えない。代わり映えのない景色ばかりで、そろそろ飽きる頃だ。
「…そういえば、カカシ先生。タズナさんって波の国なのよね?その国にも忍者っているの?」
サクラはふと思いついたようにカカシ先生に尋ねる。
「波の国にはいないが、大抵の国には隠れ里が存在し、忍者がいる。その中でも木の葉、霧、雲、砂、岩の五ヶ国は、国土も大きく力も絶大な為“忍五大国”と呼ばれている。影を名乗れるのもこの五ヶ国だけ……。いわゆる、五影は忍者の頂点に君臨する者達だ」
そこで今の火影、おじいちゃんのことを思い出す。いつもニコニコとして優しいが、ナルトのおいろけの術や私達のイタズラに引っかかるあのおじいちゃんが忍者の頂点……?
サクラは『火影様ってすごいんだぁ!』なんて言っていたが、内心絶対に疑っている。私だって首を傾げる。
「…お前ら、今、火影様を疑っただろ」
そんな私達を見てカカシ先生は物凄いジト目で見つめる。ギクッと、図星をつかれ焦るが、カカシ先生はすぐ笑顔になりサクラの頭に手を置く。
「ま…安心しろ。Cランクの任務で忍者対決なんて起こらないよ」
その言葉に少しホッとする。つまらないのは嫌だが、誰が危ない目に遭う方が何倍も嫌だ。ナルトほど無鉄砲にはなりきれない。
少し歩くと、この晴天続きのなか溜まっている水たまりを発見する。やけに場違いだなと不審に思いつつ、その横を通り過ぎた。
「なに⁉」
カカシ先生の声に振り返ってみると、首から膝まで鎖で捕らわれた姿があった。
「まずは一匹目…」
気持ち悪い声と共に鎖が引かれ、カカシ先生はバラバラの肉塊と化す。その光景がスロー再生のように見える。最後の一破片が落ちるのを見届けて、音が消える。目の前が白ばみ始め、全ての感覚が遠のくのを感じ、私の意識は途切れた。