第10話 Cランク任務!
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「あぁ‼私の可愛いトラちゃん!死ぬ程心配したのよォ〜〜〜」
「に"ゃ〜〜〜〜‼」
ふっくらとしたおばさまにキツく抱きしめられ、苦痛の叫びをあげるトラちゃん。これじゃ逃げ出すのも無理ない……。
「あのー……、もう少し優しく抱いてあげませんか?」
「あら、あなたはトラちゃんを探した下忍の……。どうして?」
「実は……」
そこから私は猫の気持ち講座を力説する。飼い主さんも悪気があった訳ではないので、うんうんと真剣に聞いてくれる。そのかいあり、五分後には気持ちよさそうに腕に収まるトラちゃんの姿が……。
「あらまぁ‼トラちゃん、とぉっても気持ちよさそうだわぁ‼ありがとうねぇ。これ、お駄賃としてあげるわ」
差し出されたのは一つの紙袋。その中身は…
「予約半年待ちと言われる超有名老舗和菓子店、伝説の羊羹……‼いいんですか⁉」
「いいのよ〜、私の気持ちだから」
「ありがとうございます‼」
一度は食べてみたかったこの羊羹……!予約がとれないのもそうだが、やっぱりお値段が高くて手が出なかったのだ!
受け取った紙袋をホクホクと抱きしめ、おじいちゃんから言われる次の任務を待つ。
「まさかこんなにも早く終わらせるとはのォ……。さて!カカシ隊第七班の次の任務はと……。んーーーーー……、老中の坊ちゃんの子守りに隣町までのお使い、芋掘りの手伝いか……」
「ダメーーー‼そんなのノーセンキュー‼オレってば、もっとスゲェー任務がやりてーの‼」
「私も他のがいい!!」
またしても代わり映えのない任務を言われ、流石にナルト共々駄々を捏ねる。
「バカヤローー‼お前らはまだペーペーの新米だろうが‼」
「だって下忍になってからずっとショボい任務ばっかりなんだもん‼」
イルカ先生の言葉に私は勢いよく反論する。言葉なく一斉に首をふる下忍三人に、カカシ先生は垂れた瞳をさらに下げるのが見えた。
「はぁ…いいか?里には多種多様な依頼があってな……」
そんなおじいちゃんによるありがた〜い言葉も耳に入らず…。
「昨日は豚骨だったから今日は味噌かなぁ……」
「今日のおやつはよ・う・か・ん〜♪」
「聞けェーーーーい!!!!」
全く聞く耳を持たなかった私達に、おじいちゃんは叫び、カカシ先生は一発ずつゲンコツを落とす。ぶっちゃけ、涙が出るほど痛い…。
「そうやってじいちゃんはいっつも説教ばっかりだ‼けど、オレってば!いつまでも心配ばかりされるようなイタズラ小僧じゃないんだぞ‼」
「そうよ‼私達はもう立派な一忍だもん‼」
確かに前は色々やらかしたが、もう下忍にもなってただの子供じゃない。いつまでも子供扱いするおじいちゃんとイルカ先生に業を煮やしてそう叫ぶと、二人は虚をつかれたように少し目を見開き、そして微笑んだ。
「フッ…分かった。二人がそこまで言うならCランクの任務をやってもらう。……ある人物の護衛だ」
「え!だれ?だれ?大名⁉」
「もしかして可愛いお姫様とか⁉」
「そう慌てるな、今から紹介する。入ってきてもらえますかな?」
期待が上がるなか、後ろの扉が開かれる。しかし現れたのは、お金持ちの大名でも、可愛いお姫様でもなく、酒瓶片手に酔っ払った一人のおじさんだった。
「なんだァ?超ガキばっかじゃねーかよ!特にそこの一番ちっこい超アホ面。本当に忍者かぁ⁉お前ェ!」
私は発育が良く、155cmというシノについでの長身だ。横目で周りを確認してみると、明らかに周りより小さい金髪……。
「…ぶっ殺す!!!」
予想通りブチ切れるナルト。カカシ先生に抑えられてないと本当におじさんに飛びかかりそうな勢いだ。
「だ、大丈夫よ、ナルト‼小さい方が可愛いから私は好きよ‼アホっぽい顔も可愛いから‼」
「彩音、違う。そうじゃない……」