過去に一度だけアラウディから聞かれたことがあった

「君は… エリカは、僕のことどう思っているんだい」
驚いたけれど、その時は聞こえないふりをしてニコリと微笑んだだけだった

アラウディと一緒にいたい
一緒に生きていきたい
でも許されない
彼にとって周りなんてどうでもいいのかもしれない
けれどそれにしてもあまりにも私たちの関係は複雑すぎる
たとえ周りが許したとしても神はご存知なのだから
罪は消えない
決して消えることはないのだ
それはアラウディもよく分かっているはずだ
だから、そんなに辛そうな顔をして私に問いかけたのでしょう
ごめんね、アラウディ
あなたにはきっとずっとこの先も応えられないわ
私も貴方も同じ気持ちだったとしても
私自身が一番分かっているの
貴方に私の罪まで背負わすわけにはいかないと
だからね、私を守らないで
私が貴方を守るわ
命に代えたって貴方に地獄の運命なんて背負わせないわ

「貴方を幸せにするためなら“死”なんて恐ろしくないの」

人はいずれ死ぬ
それが早いか遅いか
ただそれだけなのよ