女審神者が山鳥毛に生殺与奪を握られる話2
【おまけ1…燭台切は審神者の秘密を守りたい】
一時期、燭台切光忠は何か言いたげに審神者に寄ってくることがあった。そのくせ、何か用かと問うと、特に用はないのだと言葉を濁して自分の仕事に戻ってしまう。周囲に燭台切のほか誰もいなくなると必ずまとわりつかれるので、何もないということはなかろうと審神者は何度も問うたが、それでも燭台切は核心的なことは何一つ言わなかった。
「あ……主。あの……さ、」
「どうしましたか」
「…………なんでもないよ。それより、政府から何やら冊子が届いていたよ。メディアリテラシーについての注意喚起だって。君は僕よりずっとこういったことに詳しいとは思うけれど、あの……、えっと……、念のため、登録しているサービスのパスワードは定期的に変えてね。面倒くさがって端末にパスワードとIDを記憶させたりしたらダメだよ。情報を発信するときは、その内容にも気を付けようね……一度ネットに上げたら、たとえ消去してもずっとキャッシュが残るんだから」
そんなことがしばらく続いたが、大般若長光が顕現してしばらくしたころには何も言わなくなっていた。ただ、なぜだか、燭台切は大般若や一派の刀たちに、審神者の手を煩わせてはいけないから執務室には用がなければ近寄るな、壊してしまってはいけないから審神者の個人用端末には何があろうと触ってはいけない、と厳しく言いつけているようだった。
【おまけ2…鶯丸は審神者の秘密を知っている】
一時期、鶯丸は妙に審神者の手を、正確には利き手の指を触りたがっていたことがある。審神者が執務室で書類仕事、特にアナログの書き仕事をしていると決まって寄ってきて、彼女の手をじっと見つめるのだ。
「……そう見られるとやりづらいです。私の手がどうかしましたか?」
苦笑いとともに審神者が作業を中断すると、鶯丸はそっと彼女の手を取り、まじまじと見つめた。
「主は筆を執ることに慣れているのだなと、そう思っただけさ」
「そうですね。審神者のお仕事は電子文書の処理だけでなく、紙の書類の作成も多いですから。いいかげんに慣れてしまいました」
「…………、そうだな。いつも書きつけているからな、主は」
そんなことがしばらく続いたが、大包平が来てすぐの正月以降、鶯丸は審神者の手に興味を示さなくなった。ただ、なぜだか、鶯丸は大包平に、女人は秘密が多いもの、許された以上に暴き立てるようなことは、何があろうと、決して、してはならない、と、デリカシーについて厳しく教育していたようだった。
一時期、燭台切光忠は何か言いたげに審神者に寄ってくることがあった。そのくせ、何か用かと問うと、特に用はないのだと言葉を濁して自分の仕事に戻ってしまう。周囲に燭台切のほか誰もいなくなると必ずまとわりつかれるので、何もないということはなかろうと審神者は何度も問うたが、それでも燭台切は核心的なことは何一つ言わなかった。
「あ……主。あの……さ、」
「どうしましたか」
「…………なんでもないよ。それより、政府から何やら冊子が届いていたよ。メディアリテラシーについての注意喚起だって。君は僕よりずっとこういったことに詳しいとは思うけれど、あの……、えっと……、念のため、登録しているサービスのパスワードは定期的に変えてね。面倒くさがって端末にパスワードとIDを記憶させたりしたらダメだよ。情報を発信するときは、その内容にも気を付けようね……一度ネットに上げたら、たとえ消去してもずっとキャッシュが残るんだから」
そんなことがしばらく続いたが、大般若長光が顕現してしばらくしたころには何も言わなくなっていた。ただ、なぜだか、燭台切は大般若や一派の刀たちに、審神者の手を煩わせてはいけないから執務室には用がなければ近寄るな、壊してしまってはいけないから審神者の個人用端末には何があろうと触ってはいけない、と厳しく言いつけているようだった。
【おまけ2…鶯丸は審神者の秘密を知っている】
一時期、鶯丸は妙に審神者の手を、正確には利き手の指を触りたがっていたことがある。審神者が執務室で書類仕事、特にアナログの書き仕事をしていると決まって寄ってきて、彼女の手をじっと見つめるのだ。
「……そう見られるとやりづらいです。私の手がどうかしましたか?」
苦笑いとともに審神者が作業を中断すると、鶯丸はそっと彼女の手を取り、まじまじと見つめた。
「主は筆を執ることに慣れているのだなと、そう思っただけさ」
「そうですね。審神者のお仕事は電子文書の処理だけでなく、紙の書類の作成も多いですから。いいかげんに慣れてしまいました」
「…………、そうだな。いつも書きつけているからな、主は」
そんなことがしばらく続いたが、大包平が来てすぐの正月以降、鶯丸は審神者の手に興味を示さなくなった。ただ、なぜだか、鶯丸は大包平に、女人は秘密が多いもの、許された以上に暴き立てるようなことは、何があろうと、決して、してはならない、と、デリカシーについて厳しく教育していたようだった。
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