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明日も君のとなりで

今日は雪が降っている。

恐らくこの雪が今年最後の雪になるだろう。
でも、これで、後少しだけ彼女と一緒にいることが出来る。

痛む体をゆっくりと動かし、彼女といつも会う花畑に向かった。




さく、さく、さく…

ゆっくりと道を歩いていると先の方に傘をさして歩く彼女の姿が見えた。
驚かさないように、そっと横にならんで声をかけた。

「やぁ、この時間に外を出歩いているのは珍しいね」

声をかけた瞬間こちらの方へ顔を向けて嬉しそうに微笑んだ。

「貴方は雪が好きって聞いたから、雪の日は早く来ているんじゃないかって思ったの」

と言ってそっと探るようにこちらに手を伸ばしてきた。
ゆっくりと手を誘導して服の裾を握らせ、しっかり掴まっている事を確認して歩幅を合わせてゆっくりと歩いた。

さくっ、ざくっ、

二人分の足音が静かな世界に響いている。

「こうして二人で歩くのは初めてですね」

と、彼女が少し照れ臭そうにしながら言った。

「貴方と初めて会ったのは冬の始まりの方…こんな風に雪の降った日の事でしたね…あの日からもう二ヶ月も経っているなんてビックリしちゃいました」

「そういえば、私達お互いのことについてほとんど話していませんね」

不思議そうに首をかしげて聞く彼女をそっと抱き上げ、

「そうですね、それじゃあ今日はお互いの事について少し話しましょうか」

と言って雪道を歩いた。
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