明日も君のとなりで
だんだんと春が近づいてくる。
もうすぐ僕は消えてしまう
だから…
今日も君はいつも通り僕のとなりで静かに座っている。
何か物音がすると
「いまの音はなんの音なの?動物さん?それとも…」
と好奇心を露にして聞いてくる。
僕はいつも
「いまの音はね、…」
と色々なことを教えている。
だけど、今日の質問には答えることができなかった…
だって…
何も知らない彼女に僕が消えていく音だよ、なんて言えるわけがないじゃないか…
「うーん、なんだろうね?聞き逃しちゃった」
と当たり障りのない解答をしてそっと頭を撫でる。
そっと彼女の手を取り聞いてみた。
「ねぇ、もしも僕がもうすぐここからいなくなるって言ったらどうする?」
彼女は驚いた、という感じの表情をしてそっともう1つの手を重ねてきた。
ゆっくりと口を開き、
「いなく…なってしまうの?」
悲しそうに僕の方を向いて聞いてきた。
僕は…どうすることもできずただ彼女を抱き締めることしかできなかった。
小さな彼女が痛いと感じない、ギリギリのところまで力を込めて強く、強く抱き締めた。
また僕が壊れるオトがした。
もうすぐ僕は消えてしまう
だから…
今日も君はいつも通り僕のとなりで静かに座っている。
何か物音がすると
「いまの音はなんの音なの?動物さん?それとも…」
と好奇心を露にして聞いてくる。
僕はいつも
「いまの音はね、…」
と色々なことを教えている。
だけど、今日の質問には答えることができなかった…
だって…
何も知らない彼女に僕が消えていく音だよ、なんて言えるわけがないじゃないか…
「うーん、なんだろうね?聞き逃しちゃった」
と当たり障りのない解答をしてそっと頭を撫でる。
そっと彼女の手を取り聞いてみた。
「ねぇ、もしも僕がもうすぐここからいなくなるって言ったらどうする?」
彼女は驚いた、という感じの表情をしてそっともう1つの手を重ねてきた。
ゆっくりと口を開き、
「いなく…なってしまうの?」
悲しそうに僕の方を向いて聞いてきた。
僕は…どうすることもできずただ彼女を抱き締めることしかできなかった。
小さな彼女が痛いと感じない、ギリギリのところまで力を込めて強く、強く抱き締めた。
また僕が壊れるオトがした。
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