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小さな僕の王子様

「なんだ…とりあえず僕から不思議な匂いがしたとして…あの時から今までずっと治まらずにいたわけ?」
コクンと頷くルディ。
「そっか…だからクッションで隠してたと。」
再び頷く。
「抜いてこい。」
トイレを指さし告げるが、今度は頷かない。どうしたと問えば1度こちらわ見てまた俯いてしまった。
なんだよ…まさかそういう経験ない?中学生だろ?学校行けばそんな話で盛り上がってなんぼだろ?やっぱり外国は違うのか?それともルディが免疫ない的な?温室育ちのお姫様ってか?
「まさか…初めて…」
「じゃない!馬鹿にするな!」
「だったら行けよ!違う…この行けはトイレに行けのイケで断じて…」
「Ruhe!(うるさい!※意訳してます。)」
急な外国語に口をつぐむ。
「なんなんだ!そんなに俺を馬鹿にして面白いか!春子が言ってた明宏はこんな奴だったのか…最悪だ!」
ルディが叫ぶ。そして、僕にクッションを投げつけリビングを出て行ってしまった。
階段を駆け上がる音がしたから恐らく2階のどこか空いてる部屋に行ったのだろう。

追いかけもせず、ただルディに言われた言葉を反芻する。
ルディは母からいったい僕の事を何と聞いていたのだろう?コルトも挨拶で僕の事を母から色々聞いていた風に話していた事からきっと息子である彼も聞いているのは明らかで…でもあんなに怒るまで…いや、落胆するほどに何を聞いたのか。

しばらくして、母とコルトさんが戻ってきた。
ルディの姿がないと気がついた母が「早速喧嘩?あんた何したのよ。」と呆れる。
コルトさんはルディが何かしたのかもしれないよなんて庇ってくれたけど、母は僕が一方的に何かしたんだと言い切る。「はやく謝っちゃいなさい!ルディならきっと柊二さんの部屋にいるわ。仲直り出来なきゃ、あんたのご飯今日からないからね!」と元夫の部屋をルディにあてがった話をサラッとしながら、僕を追い立てる。
「ごめんね。」とコルトさんに謝られたが、実際怒らせた原因は僕自身だから「僕も大人気なくて、すいません。」と一礼しルディの元へ向かった。


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