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ちょっと待ってよ

田代に手伝って貰うことでなんとか衣装を全て身に纏った保は目の前に置かれた鏡を見て驚いた。思いのほか仕上がりは悪くないのだ。後ろ姿や遠目に見れば女と見間違える可能性は大いに有るであろう仕上がりに、保も田代も感嘆の声を上げる。
「自画自賛じゃないけどさ、俺なかなかイケてる感じしない?」
「割とありでしょ!これは実行委員も驚くぞ。いやマジあとは顔面!」
「顔はどうともならねーよ。田代みたいに整ってりゃ別だろうけどさ。」
ゲラゲラ笑いながらグラビア誌を思い出しながら鏡の前でポーズをとって遊び始めた2人だったが保のスマホが震え件の実行委員より最終勧告が言い渡された為、意を決して彼女達が待つ教室へ向かった。

カラカラと扉を開け、室内へと入ると3名の女生徒が腕を組み保を睨みつける。他の生徒達もいるかと思っていたが、女生徒3名以外は誰もおらずどうやら皆試着は終えたようだ。教室の済に衣装がズラリとハンガーラックに並べられている。また、鞄なども無いところを見ると試着が終わった物から順に帰ったようだ。
ヘラっと笑いながら女生徒の前に歩みを進めれば、実行委員の女生徒が頭の天からつま先まで舐めるように一瞥する。大きく1つ頷くとそれを合図に残りの2名が保の肩を掴み近くの椅子に座らせて、ケープを首に巻き付ける。更にベールとウィッグを剥ぎ取られる。
実行委員がニヤニヤと笑みを浮かべながら近づき、保について入った田代に声をかける。
「田代君、コイツ逃げないように捕まえといて!」
命令された田代は素直に保の両腕を取り背に回し「OK」と楽しげに答える。
はなから逃げるつもりなどなかった保だが、拘束された事に対し少々不安を感じ身じろいでしまう。すると女生徒から叱責がとぶ。驚きに肩が跳ねると田代に笑われ保はキッと田代を睨んだが、涼しい顔であしらわれた。
そこからは女生徒達により化粧を施され、初めての体験に恐怖し大人しくされるがままになってしまったのだった。
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