このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ちょっと待ってよ

とりあえず偽乳はこの際放置するとして心に落ち着きを持ちたいわけで…覚悟決めさせてよと悪魔様方に乞い願う。
あまりのか弱い保の声に、流石の女生徒達も悪ふざけが過ぎたと感じたのか、はたまた待てば着るならいいだろう待ってやると考えたのか時間をくれた。
他の男子達の衣装チェックやらなんやらで忙しいという事もあったのかもしれない。
衣装が着れたら連絡をするように言うと女生徒達は教室を後にした。
カラカラと閉まる扉の音を聞き、保は深いため息をついた。そしてふと顔をあげ、目の前に立つ田代に退出を促す。
「田代、お前ももう行けば?俺時間かかるし。」
友達とはいえやはり女装姿は見られたくはないし、着替え姿をわざわざ見せる必要も無いと思っての事だったが、田代は平然と言い放つ。
「え?残るよ?だってお前ブラもガーターベルトも付けれないだろ?任せろ!」
従来のイケメンオーラがオシャレカフェ店員スタイルで倍がけされてる状態の田代に一瞬殺意が芽生える。
彼女いない歴=年齢の自分とは違い、イケメン田代君は彼女がいたようで女性用下着の着脱をご存知だそうでと嫉妬の炎が一瞬燃える。が直ぐに鎮火。なぜなら田代ほどのイケメンが童貞だったならインポを疑わざるを得ない。張り合おうだなんておこがましいと理解しているのだ。
ちなみに保がイケメンと思う田代は、身長182cmの爽やかスポーツマンという感じだ。
男の癖にまつ毛は長く涼し気な双眸、スっと通る鼻筋と薄づきだが張りのある唇。イケメンというか麗しいというかThe king of 平凡な保とは雲泥の差である。
サラッと自慢されたって嫌味にはならないですよねってなもんだ。
「…田代が着付てくれるのかよ?」
「おう。せっかくだからちゃんと着てアイツら驚かせてやろうな!」
「とりあえず着ただけで驚くだろうよ。無様過ぎてさ。」
自嘲気味に告げれば田代はそんな事ないさと笑みを浮かべた。
言い返すのも面倒になり、半ばヤケクソに思いつつもやはり他人にあまり見られて笑われたくもないので、取り掛かる前に保は教室の鍵をかけた。
いざ、道化シスターへのジョブチェンだ!
4/8ページ
スキ