地面を踏みしめるたび、ぎゅっぎゅっと音が鳴る。
吐き出す息は、全て真っ白。

「雪だ…！」
「調子に乗ると転ぶぞ…」
「分かってるよー」

お互いのクリスマスプレゼントを買いに、街まで来ていた今日。
そんな帰り道、どうやら買い物をしている間にかなり雪が降っていたようで、うっすらと積もった道をしっかり踏みしめて歩いていた。

そんな中、レティはやや後ろで見守るように歩いてついてきてくれている。

「何気にこれって初雪じゃない！？」
「言われてみれば、確かに」
「…初雪、君と一緒で嬉しいや」

そう呟いてから、ふとレティの元へ戻りたくなり、そちらへと駆け出す。
…が、雪ということもあって簡単には走り出せず、思いっきり足を滑らせてしまう。

まだまだ雪も薄くしか積もっていないし、結構しっかりと衝撃が入ったのだろう。思いの外体が痛い。
そんな中、小走りでレティが駆け寄ってきてくれた。

「大丈夫か…？」
「うん…多分大丈夫」
「ならよかった」

そう言うと、レティは僕の上着やマフラーに着いた雪を払い落として言ってくれる。
…ついでにマフラーは巻きなおしてもらった。

ひとまず、ずっと座っているわけにもいかないし、と立ち上がると、一瞬右足首に痛みが走ったような気がした。
どうやらレティも僕の様子から感づいたようで、おんぶしてく、と背中を僕の方へ差し出して来てくれる。

さすがにちょっと恥ずかしいかも、と思ったものの、少し動くだけで激痛が走ることもある以上、仕方がないとレティの背中へと掴まった。
レティはゆっくり立ち上がったと思うと、そのままゆっくり歩きだす。

「…ちょっぴり、照れるね」
「仕方ないだろ…足首ひねったんじゃあ…」
「…うん…」

それでもやっぱり照れてきてしまって、レティの肩のあたりに顔を埋める。
…どこか土や草の香りが漂う君の匂いが、ドキドキする僕の心をゆっくり諫めてくれる。

普段は逆であることが多いからか、どうしても照れてしまうのだ。

「普段、あんなにオープンに甘えてくるのに…」
「それとこれは違うの！でも…君の背中、あったかくて落ち着く…」

今回は失態を犯してしまったかもしれないけど、こんな日もいいかもしれない、なんて。
ちょっぴり、そう思う僕がいた。