この天蓋からは抜けられない
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ある日の朝、レティが肩に見慣れない生き物を乗っけていた。
「その子、どうしたの?」
「え?あ…」
「あたしに何かご用事?」
好奇心から尋ねると、レティが答えるよりも前にその子が喋る。
…喋った!?
見た目はムササビに近いけど、どういうことなの…?
そう思いはしても、僕が尋ねるような間もないままその子が喋っていく。
「あんた、レティの友達?ふうん、なんかなよなよしてそうな奴ね」
「ちょっ、ルチア!」
「え、えーと…?」
「あんたって男友達より、女友達の方が強そうなのよね」
…小柄で可愛らしい風貌からは想像つかないくらい、初対面から抉ってくる。
その言動に傷つくとか、怒りとかそんなものを通り越して無になっていると、流石に見かねたレティが両手に抱えてきつく注意するところが見えた。
「…見かけでどうこうばっか言うのは筋違いだぞ」
「えー…」
「人は見かけで全て分かるほど簡単じゃあない。そんなの、単なる決めつけだ」
「…分かってるわよ。ついでに実力は並以上だってことも分かってるわ」
「ああ、また…。その癖直してって、何度言えば…」
今度は廊下の向こうから、そう言ってこちらへと歩み寄る…というか飛びよる一つの姿が見えてきて。
真っ白な体で、陸空海ごちゃまぜにでもしたかったのか翼と魚のようなしっぽを持つ、一見妖精っぽい姿で立っている猫、みたいな生き物…並べるとすっごく分かりにくいけど、とにかくキメラ生物の子が呆れたようにため息をつくのが分かる。
ちなみに彼(?)はマイラっていう名前。レティとはなんだかんだ長い付き合いだとか。
「あ、マイラ。探してたのよ」
「分かりましたけど…。ネスさん、ルチアが失礼なことを言ってしまったようですみません…」
「い、いいよ。特に気にしてないし」
「とりあえず、ルチアはこっちに来なさい。どちらにせよ、ソフィも待ってますし」
「はーい」
そんなやり取りの後、ルチアと呼ばれたムササビみたいな子はマイラの頭に乗っかって、マイラの歩くままにどこかへと去っていく。
その後ろ姿を見送ると、申し訳なさそうな様子でレティが謝ってきた。
「…ごめん、初対面にもかかわらず…」
「大丈夫だって。びっくりはしたけど、別に気にしてないよ」
「今度からはああやって言わないように、きちんと言っておくから…」
だーから、大丈夫だって!
やや強引ではあるけれど、僕からそう切り上げてしまう。
…これ以上、悲しそうな顔をしないでほしかったから。
「その子、どうしたの?」
「え?あ…」
「あたしに何かご用事?」
好奇心から尋ねると、レティが答えるよりも前にその子が喋る。
…喋った!?
見た目はムササビに近いけど、どういうことなの…?
そう思いはしても、僕が尋ねるような間もないままその子が喋っていく。
「あんた、レティの友達?ふうん、なんかなよなよしてそうな奴ね」
「ちょっ、ルチア!」
「え、えーと…?」
「あんたって男友達より、女友達の方が強そうなのよね」
…小柄で可愛らしい風貌からは想像つかないくらい、初対面から抉ってくる。
その言動に傷つくとか、怒りとかそんなものを通り越して無になっていると、流石に見かねたレティが両手に抱えてきつく注意するところが見えた。
「…見かけでどうこうばっか言うのは筋違いだぞ」
「えー…」
「人は見かけで全て分かるほど簡単じゃあない。そんなの、単なる決めつけだ」
「…分かってるわよ。ついでに実力は並以上だってことも分かってるわ」
「ああ、また…。その癖直してって、何度言えば…」
今度は廊下の向こうから、そう言ってこちらへと歩み寄る…というか飛びよる一つの姿が見えてきて。
真っ白な体で、陸空海ごちゃまぜにでもしたかったのか翼と魚のようなしっぽを持つ、一見妖精っぽい姿で立っている猫、みたいな生き物…並べるとすっごく分かりにくいけど、とにかくキメラ生物の子が呆れたようにため息をつくのが分かる。
ちなみに彼(?)はマイラっていう名前。レティとはなんだかんだ長い付き合いだとか。
「あ、マイラ。探してたのよ」
「分かりましたけど…。ネスさん、ルチアが失礼なことを言ってしまったようですみません…」
「い、いいよ。特に気にしてないし」
「とりあえず、ルチアはこっちに来なさい。どちらにせよ、ソフィも待ってますし」
「はーい」
そんなやり取りの後、ルチアと呼ばれたムササビみたいな子はマイラの頭に乗っかって、マイラの歩くままにどこかへと去っていく。
その後ろ姿を見送ると、申し訳なさそうな様子でレティが謝ってきた。
「…ごめん、初対面にもかかわらず…」
「大丈夫だって。びっくりはしたけど、別に気にしてないよ」
「今度からはああやって言わないように、きちんと言っておくから…」
だーから、大丈夫だって!
やや強引ではあるけれど、僕からそう切り上げてしまう。
…これ以上、悲しそうな顔をしないでほしかったから。