この天蓋からは抜けられない
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「きゅ…?(ちょっと出かける、って行っちゃったよ…?)」
昼下がり頃までお喋りをした後、どうしてるだろうと思ってレティの部屋を訪ねた。
…のだけど、タイミングが悪かったのか、オオタチを留守番に残して彼自身は丁度出かけてしまっていて。
オオタチの様子からするに、聞いてないの?と言ったところなのだろうけれど、今日は色々と間が悪いのか何の聞いていない。
それどころか、珍しくまともに会話をした覚えも無い。
「…そっか。教えてくれてありがとう」
お礼を告げて頭を撫でると、気持ちよさそうに顔を綻ばせてきた後にひと鳴き返してくれる。
とりあえず街の方へ出かけたとのことだったので、僕もそっちへ向かってみることにした。
しかし、街へ行くにしてもレティがどこへ行ったのかまでは流石に分からないし、どうしようか。
結局入れ違いに…となっては空しいし。
「でも、なんでこんなに入れ違っちゃうんだろう…」
少なくとも、オオタチの話を聞いた限り昼過ぎまではいたらしいし、そうなると今日どこかのタイミングで一緒に過ごすことは多少なりにできたはずで。
余程忙しかったらあれだけど、多少余裕があったのなら避けられてるとしか思えないよ…。
そうぐるぐる考えていると、街で誰かと並んで歩いている様子のレティが見えて。
しかも何だかとても楽しげで、そんな風に笑うところなんて殆ど見たことないのに…と、相手に嫉妬すら覚えてしまう。
大人げないな、なんてことは頭では分かっているけれど、やっぱり嫌なものは嫌だとレティの元へ歩み寄った。
…あくまで気になったから来た、と言うスタンスで。
「…あれ、ネス」
「えへへ、気になって来ちゃった!」
「…じゃあ僕、そろそろ時間だし行くね」
「うん。またな、レン」
レティは驚いた様子こそしたものの、特段何か言ってくる様子は無い。
が、どうやら相手の子はもう帰ってしまうところだったらしく、流石に何だか邪魔しちゃったような、僕が追いやってしまったような、申し訳ない気持ちになってしまう。
「…えっと、なんかごめんね」
「いいよ、元々そろそろ帰るって行ってたから入れ替わりってだけだし」
特に怒る訳でも無く、あっさりとそう言ってくれる。
かと思うと、ごめん、と何故か謝られた。
「え?」
「…本当は、一声かけてくつもりだったんだ」
「…もしかして、あの子って…」
特に何も言わず、頷いてくれる。
…だからマイもあくまで知り合いとしか言わなかったのか。
…初めて目の当たりにした彼の複雑な関係に、僕からかけられる言葉は何一つ浮かばなかった。
昼下がり頃までお喋りをした後、どうしてるだろうと思ってレティの部屋を訪ねた。
…のだけど、タイミングが悪かったのか、オオタチを留守番に残して彼自身は丁度出かけてしまっていて。
オオタチの様子からするに、聞いてないの?と言ったところなのだろうけれど、今日は色々と間が悪いのか何の聞いていない。
それどころか、珍しくまともに会話をした覚えも無い。
「…そっか。教えてくれてありがとう」
お礼を告げて頭を撫でると、気持ちよさそうに顔を綻ばせてきた後にひと鳴き返してくれる。
とりあえず街の方へ出かけたとのことだったので、僕もそっちへ向かってみることにした。
しかし、街へ行くにしてもレティがどこへ行ったのかまでは流石に分からないし、どうしようか。
結局入れ違いに…となっては空しいし。
「でも、なんでこんなに入れ違っちゃうんだろう…」
少なくとも、オオタチの話を聞いた限り昼過ぎまではいたらしいし、そうなると今日どこかのタイミングで一緒に過ごすことは多少なりにできたはずで。
余程忙しかったらあれだけど、多少余裕があったのなら避けられてるとしか思えないよ…。
そうぐるぐる考えていると、街で誰かと並んで歩いている様子のレティが見えて。
しかも何だかとても楽しげで、そんな風に笑うところなんて殆ど見たことないのに…と、相手に嫉妬すら覚えてしまう。
大人げないな、なんてことは頭では分かっているけれど、やっぱり嫌なものは嫌だとレティの元へ歩み寄った。
…あくまで気になったから来た、と言うスタンスで。
「…あれ、ネス」
「えへへ、気になって来ちゃった!」
「…じゃあ僕、そろそろ時間だし行くね」
「うん。またな、レン」
レティは驚いた様子こそしたものの、特段何か言ってくる様子は無い。
が、どうやら相手の子はもう帰ってしまうところだったらしく、流石に何だか邪魔しちゃったような、僕が追いやってしまったような、申し訳ない気持ちになってしまう。
「…えっと、なんかごめんね」
「いいよ、元々そろそろ帰るって行ってたから入れ替わりってだけだし」
特に怒る訳でも無く、あっさりとそう言ってくれる。
かと思うと、ごめん、と何故か謝られた。
「え?」
「…本当は、一声かけてくつもりだったんだ」
「…もしかして、あの子って…」
特に何も言わず、頷いてくれる。
…だからマイもあくまで知り合いとしか言わなかったのか。
…初めて目の当たりにした彼の複雑な関係に、僕からかけられる言葉は何一つ浮かばなかった。
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