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ワドルディ 旅の回歴

「うぎゃあぁっ!」
「!?」

勢いのまま外へ放り出される。
んで、誰かわからないけど、下敷きになってしまっているみたいだ。

なんかごめんなさい…。

「わどー、だいじょーぶ?」
「僕はなんとか…。あ、大丈夫ですか!?おーい…」

完全に気を失ってしまっているようだ。ど、どうしよう…。

「あ、ワドルディ!」
「あ、ブロントバートさん。あの、どうしましょう…」
「わど、おちついてー…」

ひとまず深呼吸して、ある程度落ち着かせる。そこから、ブロントバートさんヘ状況を説明した。

まず、僕が帰ってきたばかりであること。その時、この人が下敷きになってしまったこと。
気を失ってしまっていてどうしたらいいかわからないということ。

ブロントバートさんは
「ああ、成る程。ひとまず木陰で休ませよう」
と、話を聞くなり手伝ってくれた。
こっちとしては大助かりだ。

その後もああしたり、こうしたり、いろいろとあったけど、ひとまず落ち着いた…かな。

「そういえば、ブロントバートさんは何か用があったのでは…?」
「用事?あ、そうだ。なんか大王様がさ、またグランプリを開催するらしくってさ。これがそのビラ」

そう言って、ブロントバートさんはビラを一枚、見せてくれた。

"デデデグランプリ開催!
優勝したものには特大ケーキをプレゼント!
参加者募集中…"

一つ言えることがある。
カービィさんを引き込むためじゃないのかな、ケーキって…。

そのあと、ブロントバートさんは仕事に戻っていった。

「うー…ん?」

意識が戻ったようだ。正直、ヒヤヒヤしていたからすごく安心した。

「貴方達は…?」
「僕はワドルディです。こっちはローパー」
「きみはなまえ、なんてゆーの?」
「僕はジャバルビート。いろいろあってここに住んでます」

ジャバルビートさん、か。
覚えておこう。多分、他の星からの移住者かな。

何故だろう、ジャバルビートさんがどこか落ち着かない様子でそわそわしている。

「どうしたんですか?落ち着きがないですけど…」
「あ、その…。長い棒をこの辺で見たりしませんでしたか?」
「えっと…わからないです…」
「ですよね…ん?」

ジャバルビートさんがビラを見て硬直する。どうしたのだろうか。

僕はそのビラを改めて見てみた。
ん?もしや…

「あーっ!それ僕の棒!落とした場所にもないと思ったら…!」

やっぱり。

「うーん、でもここからお城じゃ遠いか…」
「ローパーにのるー?ローパーなら、それくらいひとっとびだよ!」

まさかで、ローパーの方から運ぶ宣言が出てくるとは。
これはびっくりした。

ジャバルビートさんは少し考えたあと、
「じゃあ、お願いします」
とローパーの背中に乗った。
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