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ダイナブレイド編

「…へぇー、そんなことがあったんだー。
で、その卵を取り返そうと…」
「ええ、でもあいつは一体、何だったんでしょうか…?」
「なんか知ってる気がするけどな…」

そんな会話を織り交えながら、薄暗い洞窟を進む。

時折、洞窟の上の方から水滴が垂れる音がする気がするけど、気にしな…

「うわあっ!?」

僕の頭の真上に水滴が落ちた。

「ったく、そんなんでいちいちビビるんじゃねーよ。
ほんと意気地なしだなお前」
「ブルー、言い方ってのもあると思うよ?」

この二人、まるっきり性格が逆じゃないか…

ブルーさんは少しきつめの性格。
くさもちさん…いやグリーンさんはほんわかとした性格。

何なんだ、もう本当に…

「お、ナックルジョー、元気そうだねー」
「もっちろん!今日も絶好調だよ!」

どうやらくさもちさんの知り合いのようだった。

「どれ位で中腹かなあ?」
「もうすぎてっけど」
「もう少しで出られるのか!サンキューな、ナックルジョー!」

ブルーさんはそういうや否や、歩くスピードを速め始めた。

「ちょっと、ブルー!」
「ま、待ってくださーい…」

僕とくさもちさんは、ブルーさんを仕方なく追いかけることになったのだった。

「…ありゃー、こりゃ行っちゃったね…」
「どうしましょうか…」

僕たちは頭を抱えてしまった。
だって、ブルーさんを見失っちゃったから。

「まあ、ブルーの事だから、大丈夫だと思うけど…」

僕らは二人並んで、出口まで歩いて行った。
その途中、くさもちさんがこんなことを言った。

「ブルーはさ、人当たりが悪いところもあるから悪い印象が持たれやすいんだ。それでいて、ああやって突っ走りやすいところもある。
でも、ああ見えて根は優しい奴なんだ。
いい奴なのに…性格が邪魔をしているというかね」

僕は、黙って聞きながら、今までのブルーさんとのやり取りを思い出したりしていた。

確かにそうだなあ、と思う所が沢山あった。

「あ、もう出口だ…ってブルー!?
何してるの?」
「こいつがさ、頑固なもんだから…
ちょいとボコらせてもらってたんだよ」

確かに、目の前にはフルボッコに遭ったらしい虫が横たわっていた。

「バグジー…また立ちはだかってたの?
をそろそろ融通が利くようになった方が…」
「さーて、どうせだしちょいといただきますよっと」

ブルーさんがそう言ったと思うと、急にそのバグジーとやらを吸い込み、飲み込んだ。
しかも丸飲み。

よく咽につっかえないよね…(そこじゃない)

とか考えていたら、なんかファイティングポーズとかとりだした。

「スープレックス!」
「…今は投げるものないからね?」
「分かってんよ、それくらい」
「じゃあもう出口だし、いこう!」
「そうだな、ほらお前も行くぞ」
「えっ…は、はい!」

僕はひとまず返事をしてついて行った。

その時、明らかに見えた。
卵が、嬉しそうにゆらゆら揺れているところを。

やっぱり、楽しいのかなあ。
卵も、この旅路が。
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