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ダイナブレイド編

ゼェ…ゼェ…

は、走ったぁ…
きつい…

走るのが得意か、っていうとそうでもない。しかも、この卵があるから大変。

「はぁ…こんなペースで着くかなぁ…」
「は?何言ってんだ?」
「!?」

後ろを振り向くとカービィさんが…

いやなんか違うけど。
正確には、体を全体的に青色で染めていて、どこか冷酷な感じの性格というか、口調というか…
まあ、前に会ったのカービィさんと違う事は確かだ。

「何意気地のねぇこと言ってんだよ。
その様子から見るに…さては最近時々話に出るワドルディだな?
ふぅん、気の弱そうな面しているんだな」
「いやあの、話が呑み込めないんですけど…
てか会って早々、意気地なしとか、気の弱そうな面構えだとか、なかなかひどくないですか!?」

そんなことも聞いていないかのように、青いカービィさんは話を続ける。

「まぁいいか。
俺も訳ありでよ、ここ通らねぇといけねぇんだよ。
ま、しばしの間だが、あんたについてくぜ」
「いや人の話聞けよ!」

というわけで、青いカービィさんは半ば強引に、ついてくることとなったのだった…

“ようやく…見つけた…”
「「!?」」

さらにどこからか声がした。と思えば、目の前で空間が避けた挙句の果てになんか出てきた。
鳥みたいな、何かだった。

“さて…その卵、返してもらおうか…”
「え!?挨拶とか、前置きとかなしに本題!?
てか、卵…ですか…うーん…」

会って驚く間もなく、急に卵を返せと迫られた。
うーん、手放したくないような、やっぱり返すべきな気もするし…

すると、青いカービィさんが急に喝を入れてきた。

「何悩んでんだよ!!なんだかんだ、今まで一緒に居たんだろ!?
一緒に居たいんじゃないのかよ!!
こいつが持ち主であるのは事実なんだろうが、それを渡すか決めるのはあんただろ!?」
「でも…」

それでも心は決まらなかった。

どれくらい悩んでたか…
あちらが折れたのだろう、こう交換条件を提示してきた。

“…心が決まらないというのなら、少し日をくれてやる。
ただし、こちらからは、刺客を時折送る。
そいつにお前が負けたのであれば、この卵はこちらに返す。これでいいだろう?”
「は、はい!
でも、孵ったら…」
“孵ったときは本人の意思を尊重して決める。
他に何かあるか?”
「い、いえ…何も…」
“では、今回はこれで一度戻る。
が、忘れるな。

そいつは、あくまで我々一族のものだという事を…”

そう言い残して、その鳥のような何かは裂け目の向こうへと消えていった。

そんな一件があった後、僕は青いカービィさん…「ブルー」って呼ばれてるからそれでいいとは言ってたけど…
とにかく、ブルーさんに案内してもらっていた。

「ここはさ、マシュマロ城つって、城ン中でも迷いやすい部類だ。
俺はどこ行くにも、この城を抜けないといけない…訳ではないが、ほぼほぼそうなもんでさ…
今回は、ちょいと集まりがあってな…この城を抜けた先で待ち合わせしてんだよ」
「へえ…その集まりって、何ですか?」
「えーとだな…カービィのための、カービィによる、カービィ集会だったっけな…
まあ、そう言いながら他のやつとかも居るけどな」
「ふーん」

話してみて、ブルーさんは辛辣な言葉を並べ立ててしまうところはあったりするけど、根はとても優しい人だとわかった。

「そうだ、俺がこの辺の中ボスに相談して通れるようにしておいてやろうか?いちいち毎回戦うのはきついだろ?」
「え!!でも、本当にいいんですか…?」
「ほら、旅は道連れ、だっけか、そういうだろ?」

というわけで、難なく通る事ができた。

「あ、ありがとうございました!!」
「いいんだよ、それにそれがあんのがさ、キャンディ山のふもとなのよ。
だからどのみち、もうしばらくは着いてくぜ」
「あ!おーい」

向こうからさらに声がした。そちらに視線を向けると、緑色のカービィさんがいた。

「あ!最近、よく話に出るワドルディだね?
初めまして!僕はグリーン。
と言っても、皆からは、くさもちって呼ばれてるから、そっちでも全然いいよ」
「は、はじめまして…えーと、つまり…」
「まぁ、しばらくは三人だな。って言ったって、キャンディ山のふもとまでだけどよ」

という事で、もうしばらくの道のりを共にするのだった。

…なんだろう、心なしか卵がゆらって動いた気もしたけど。
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